読んでいるこちらまで隔離されているような。


「彼女は時々、世界の周波数を見失う」というキャッチコピーが、すべてを物語っている。

 怖いというよりかは、不思議、奇妙といった感覚が近い。文体のおかげか異世界を描写したエッセイのようにも感じられる。
 彼女がある程度「ハルマゲドン慣れ」しているというのもあってか、話自体は淡々と進んでいく――明らかにおかしいのにも関わらず。
 物語の終わらせ方もさることながら、途中、ハルマゲドン現象について彼女が自分なりに分析や回想を行っている場面も興味深い。
 現実世界と彼女の世界は意外と近いところにあるのかもと、ふと思った。

 一番驚いたのはその文字数。3000文字でここまで膨らむものなのか。