RESISTANCE

サムライドラゴン

プロローグ 「悪夢再来」

 この世界には、とある高い塔が建っていた。

 その塔はとても古く、地味であったが、有名でもあった。

 なぜなら、この塔には「昔この世界を支配していた者」が封印されているからだ。


 しかし、それは十年前の話・・・。

 勿論のこと、それを知らない者もいる。


「ふう、やっと頂上か・・・。」

 なんと一人の青年が、塔を上ってきたのだった。

「景色はいいが、他には何も・・・ん?」

 青年の目に入ったのは、禍々しいほど赤い水晶玉だった。

「赤い水晶玉が、なぜこんなところにあるんだ?」

 ふとその水晶玉を見つめていると、どこからともなく声が聞こえてきた。


「フフフフ・・・。」

「だ、誰だ!!?」

 すると赤い水晶玉は、ピキッという音と共にヒビが入り、そのヒビの隙間から声が聞こえてきたのだった。

「我が名はガルダート。 かつてこの世界を支配していた王だ。」

 その声はとても不気味で、まるで悪魔のようだった。

「長きに渡る年月を経て、ついにこの時が来た! 我が器となれ人間!!」

 その言葉を言い終えた瞬間、水晶のヒビから黒い煙のようなものが飛び出し、その煙に飲み込まれた青年の姿は見えなくなった。

 数秒後みるみる煙は消えていったが、そこにいたのは先ほどの青年の姿とは全く違う、漆黒の甲冑に身を包んだ男の姿があった。

 漆黒の甲冑には青い模様があり、赤いマントを羽織り、兜は悪魔のような造形をしている。


「フフフフ・・・、最高にいい気分だ。 待ってろ、我が世界よ・・・。」


 こうして、新たな悪夢が始まる・・・。

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RESISTANCE サムライドラゴン @samuraidragon

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