#3

 こそこそと話す万治とアヤメ。そんな二人に等々、業を煮やしたのか呆れたのか、


「あの、ちょっと――」


 川下が二人に近づこうとしたと同時に、クルリと振り返った万時は

 パンッ!

 と、大きな音が響く様にに両手を合わせ音を鳴らした。


「よし、話が纏まりました。お二人さんは少しお時間有りますか? 直ぐそこのファミレスでお話しません?」


 呆気に取られる伊藤と川下に笑みを浮かべた万時は言った。そして、川下がその答えを口を開こうとした瞬間に


「可能性は有る。ストーカーを見つける事」


「え?」


 その反応を見た万時は、


「伊藤さん、川下さん。少しお時間有りますか? 直ぐそこのファミレスでちょっとだけで良いのでお話しません?」


 先ほどとほぼ同じ様な言葉を今度はゆっくり落ち着いたトーンで二人に投げかけた。


「・・・・・・。少しだけなら」


 伊藤は小さく口を開き頷いた。

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