17:00

 会長の接待が終わり、フェニクアから人間界に戻ると、定時を過ぎていた。

 週末だったので佳南子かなこさんの車に乗せてもらい、隣県りんけんのリゾート・ホテルに向かった。

 高速道路を通るときに、いつもは死を覚悟する佳南子さんの運転も、きょうは心地がよい。

 眠気と会長のフェーのせいだろう。

 ホテルのもてなしも、睡眠不足と疲労には勝てず、ろくに楽しまずに寝てしまった。

 ちなみに僕と佳南子さんには埋めがたい経済的格差があるので、いつも、僕は自分の分だけを払うことになっている。

 それでもきついが、まあ、しかたがない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る