第7話 なにしにきたって?

 しばらくの間、無益なやりとりが続いた…深夜1時。

「だいたい理解したわ」

 やはりというか、なんというか、一番早く状況を飲みこんだのはオカルティックな姉であった。

「つまり、サトシが私の本で召喚したのがコバヤシマルだったのね」

「そうなの?アタシ、召喚されたの?ブラックホールに吸い込まれたと思った」

「……つまり…このコバヤシマルは人間の適齢期を逃した女だということなのか?」

「そうよ」

「違うわ!! いや違わないけど…適齢期は逃してないの、まだ訪れてないだけなの大器晩成型って占いでも…」

「行き遅れた女なんか召喚して…何をするつもりだったのかしら?サトシ…なんかいやらしい」

「違う!! 俺は自由研究を終わらせたかっただけなんだ、行き遅れた女なぞ呼びつけた覚えはない」

「ん…コバヤシマル?泣いてるの?」

「もう…帰る…フランスに帰る…そしてちゃんと飛行機で帰国する…お姉ちゃんの家に世話になるの…就職決まるまで」

「フランス?」

 サトシが顔をしかめる。

「無職?」

 オカルティックな姉が嬉しそうに微笑む。

 ベッドの下でモゾモゾと動くコバヤシマル。

「なんか…エッチだ…」

「サトシ…特殊な性癖に目覚めたの?」


「穴が無い…」

「えっ?なんの?」×2


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る