An endless & sweet dream 醒めない夢

設樂理沙 

第1話  醒めない夢 

コンビニを始めた頃


妻--- 深山果歩 かほ          26才

夫--- 深山康文 やすふみ        26才

娘--- 深山 碧 あお          2才4ヶ月


果歩を撥ねた?人---溝口啓太        31才


深山康文(夫)の不倫相手----モニカ



深山正一--康文の父            58才

深山妙子--康文の母            53才



深山康文 大手商社--ブラック企業--フランチャイズのコンビニを経営




果歩の弟---- 黒田祐一郎          22才

果歩の母親---黒田澄江          51才

果歩の父親---黒田太郎       55才



斉藤真紀子 (コンビニ従業員1)      42才

仲間友紀  (コンビニ従業員2)      22才

菅田(スダ)慎 (コンビニ従業員3)   19才



浅田美世子 娘の恩人    38才

大場達彦  仲間友紀の婚約者(幼馴染) 24才

大場茂   達彦の従姉弟 レントゲン技師 32才 




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1.☑



 私の夫は聞く耳持たずで私や私のほうの両親そして義両親

とあらかた近しい親族全員からの反対を押しきって会社退職後

大手系列のコンビニを始めた。


 所謂フランチャイズ経営ていうヤツだ。

 夫がやりたがった理由はひとつだけではなかった。



 

 元々大手の企業に勤めていてそのまま行けば順風満帆な

サラリーマン生活を終え、優雅とまではいかなくとも

私も手に職をもつ身であれば、ふたりの年金でそこそこ

安泰な老後を迎えられたのではなかったろうかと思う。



 しかし、夫はもっともしてはいけないことをやらかして

しまい、方向転換を余儀なくされてしまった。


          ◇ ◇ ◇ ◇



 私と夫との出会いは大学時代のバイト先だった。

 大学は違っていた。


 就職先もまったくお互い違う職種だった。



 

 私の母親は結婚後はずっと専業で過ごし、結婚後

数年間を除きずっと父親に不満を持ち続けてきた人。


 母の口癖は『女も手に職を持たないとだめなのよ』だった。

 

 中学生になった頃から、折に触れ母親からこの呪文を聞かされてきた

私が選んだ職種は看護師だった。



 両親が些細なことで喧嘩になると、いつも下手に出て口を

閉ざすしかない母親の姿を見て、母の言い分は充分に理解できた。




 大学生になった頃、周りの友達たちが


『OLになって素敵な彼を見つけて、結婚したら子育てに専念したいし

旦那さんにも尽くしたいから絶対共働きなんてしないわ』


……と口にするのをよく耳にしていたけれど、その頃にはすっかり私の中からそんな甘い発想は少しも湧いてこなかった。






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