第12話 開き直ります

   

 うう、誘惑に負けまぢだ。完全に敗北でづ。(えぐえぐ)


なんて冗談は置いといて、


「我と一緒に暮らすと、沢山良いことがあるぞ」


それから始まった、カムイ様から上げられたメリットが以下だ。


・触りたいと思った時に直ぐに触れる

・毎日だって一緒に寝れる

・解らないことがあっても、大体の事は直ぐに教えてもらえる

・この辺りは、カムイ様の加護があるから、色々な物が豊に実っている

・カムイ様の話相手が出来る(これってメリット?)

・カムイ様の食事を作る名誉が与えられる(これもメリット?)

・人間に会わないで遣り過ごすことが可能  等


 まあ、誰の得っていう内容な物もあるけれど、人間に遭わなくて済むのはありがたい。ただ、デメリットは1つも仰ってないんですよ~。


 その辺気になるけれど、さくらこさんはすっかり一緒に暮らす気満々なので良いのです。


 そうと決まれば、暮らしやすいように環境を整えることが必要です。


 「洞窟の奥に通路作って、部屋を作っていいですか?」


 「うむ。何を作るのか解らぬが構わないぞ。ただ我も入れるようにしてくれ」


 えっ!? カムイ様が入れるぐらいって、もの凄く大きくしないと無理だよ!! 


どっ・どうしよぅ。パニックになって、意味もなく両手をバタバタ振り回してしまう。


その時、歴史は、ーーーーーじゃないんだけど、


 しゅるるる しゅるるる


 わたわたしている私の目の前でいきなり小さくなっていくカムイ様。


 驚き!! なにこれ、子犬サイズ(OoO)


 かっ可愛い!! 


 さくらこさんがとてとて歩いていって、きょとんとカムイ様の前で首を傾げて座った。2匹の大きさを比べてみると、ちょうど、さくらこさんの2倍がカムイ様になる。


 「ふふふ、驚いたか? ちょっと遊んでみた。あの大きさを想像して焦った顔は見ものだったぞ」


 「酷い! どれだけ大きく作らないといけないのか考えてぞっとしたじゃない!!」


 「だが、喋り方とか砕けたぞ。一緒に住むのに、堅苦しいのはごめんだからな」


 そういわれるとそうだよね。私も嫌だ。


 さくらこさんは、楽しそうにカムイ様の周りをくるくる駆け回っている。


 「それ、カムイだ。呼んでみろ」


 ∑げっ! 行き成りハードル高いぃ~~~? 


 あれ? でも今のこの可愛らしサイズ。カムイ様でなくカムイちゃんだよ。


 「カムイちゃん。抱っこしていい?」


 「いきなりちゃん呼びか。まあ、うむ、かまわぬ。苦しゅうないぞ」


 そう言って、どや顔で胸を反らす姿は、小さい子が一生懸命背伸びをしているみたいに見えてほやんとする。


 「では、失礼して」


 つい顔をぐりぐり押し付けてしまって、カムイちゃんに肉球パンチをされた


 ぽにゅ


 ぽにゅにゅ~ってほっぺを押されるのも、なんだか楽しい。


 いや、変態じゃないよ。勘違いしないでよ!!


 さくらこさんの視線が、カムイちゃんの視線が、なんだか冷たくて痛い。

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