第2話 始まり

「あれ? ここは何処だろ?」


学校の帰り道、不思議な光に包まれたと思ったら、見たこともない場所に来ている


俺、瀬田一樹は困惑中


日本だと思うが、無事に帰れるだろうか?


パカラ パカラ


「馬の足音?」


いきなり響いた


しかも、こっち近づいてくる


ここは馬の訓練場か何かだろうか?


「おい、そこの怪しいもの。お前は何者だ」


馬に騎乗した男が、俺を見て叫ぶ


まるで、時代劇の武士みたいな格好だ


「見たこともない装束だな。お前は南蛮の手先か?」


男は、手に持った鉄砲を突き付けて、俺に回答を迫る


「俺は瀬田一樹。神宮寺高校の2年A組です。UGNでのコードネームはヴィークルクリエーター」


失敗した


思わず学校だけではなく、UGNのことまで語ってしまった


どうやって誤魔化そう?


「意味の分からないことを言うな。お前はどの国の手先かと聞いてる。もしや、お前の主は第六天の魔王ではないのか?」


魔王?


日本にそんなのはいないだろ


少し考え、思い当たった


「ゼノスのプランナーのことですか?」


FHを裏切ってゼノスを作ったあの方なら「魔王」と呼ばれたりしてもおかしくないだろ


「先ほどから訳の分からないことばかり言ってるな。魔王と言えば、かの織田信長に決まってるであろう?」


「信長?」


戦国時代の人だよね?


「さよう。かのうつけは魔と契り、異能を手にしてしまった。その力で天下統一に迫っている。しかも、老化を抑える能力があるらしいので、ちっとも老けないのだ」


「はあ」


突如言われても、意味がよく分からない


「かの魔王がこの国を統一してしまったら、この地は地獄と化すだろう。それを止めるために、神仏から恩恵を受けた我ら勇士が集まったのだ」


「そうですか。色々と大変なんですね」


スケールのでかい話だとは分かったが、あとは意味不明


「ああ。そのためお前にも詳しい話を聞きたいので、我が城に来て貰おう。じっくりと事情を話してもらう。拒んだらわが愛銃が火を噴くぞ」


いきなり変なことに巻き込まれてしまった


「では、後ろに乗れ」


俺は言われるまま、武士の背中にしがみつく


「お聞きしたいのですが、あなたは何者ですか?」


「俺か? 俺の名は筧十蔵。真田十勇士の一人だ」

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