2017年7月10日「やさしさが支えてる」

 隣りに誰もいなくても、たった一人でも。……憶えてる。確かにあなたがいたこと。

 立ち向かわなきゃならない何かに、ふりまわされず、今日を踊ろう! 踊りあかそう!!

 つよく、なるんだ。

 その意志は終わらない。変わらないやさしさで支えられてる。


 誰がいなくてもあたしがいるわ……。

 いっぱいの心で、あなたを想うから。

 だからそっと口づけて。

 静かな想いつむいで、未来があるから。


「やっぱりいた……」

「……」

 陽の暮れたレッスン場で、クリームパン食べてる。

「野菜も食べなね。ハイ、愛情!」

「洗ってちぎっただけのサラダじゃねーか!」

 なんて、独り暮らしも板についてるわね。

 この頃無口だよね。がんばってるね。私ももう一度やってみる! 未来のために。いつか星空を散歩しよう? 二人で……。


 ガランとしたフロアに汗が飛び散る。

 鏡に映ってる姿は未来を見てる。きっとずっと遠くの。

 シャイニング クリア

 君はライジング! ライジング サンシャイン!

 その舞台を踏んで。きっと届く。

 ジャ、行クネ。

 言葉に出さずにそこを出た。


「お疲れ様……」

 ビルの窓を見上げ、自然と笑みがこぼれる。

 その胸にあったかいなつかしさおぼえて。

「今日はあの人の好きな味噌汁、作ろう」


 そうしたら、あなたも誘って、一緒に晩御飯しよう!

 たしかな、地に足のついた発想で心を埋めるのはとてもカンタンで大切。

 砂利道でさえ、自転車で駆け抜ける。大丈夫! こんなに星が輝いているから。

 ――君は夢見るファンタシースター!

 天の川が見えるなア……。今年の七夕は晴れてたなア。あなたの飾った短冊に『努力』の文字。どうかお星さま、あの人の願いを叶えてあげて。来年じゃダメ! だから私の恋はいいから。


 近くのサイレン。何かな? 気になって、焦って、道を引き返す。

 そこには倒れたあなたが!

 うそでしょ?

「しょうちゃん!」


「よお! 階段でずっこけてすりむいた!」

 バカ!

「大事な体でしょ!」

 オーデイション、どうするのよ。バカね。

「今夜私の家へ来て」



               END

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