へっぽこ小説家! 参る!!

水木レナ

第一日目 リレー小説

2017年7月7日「これってハードボイルドだよな!?」

 まともに就職してからというもの、当分会いたくないと思っていたアイツが、オレのワンルームまで、十年来の恋人のように突然訪ねてきた。


 少々意外だったが、コイツは元からこうだった気がする。


 狭い玄関から入るなり、オレのクローゼットを開き、ズラッとならんだモデルガンを眺めまわす。


「なあ、これ一丁、貸してくれよ」


 何につかうのだ。オレのモデルガンは改造済みだ。下手して人に向けて撃ったりしたら殺傷できてしまう。


「相変わらず急な奴だ」

「これ、人殺せんだろ?」


 けんのんな。


「殺したいヤツでもいるのかよ」

「まあな」

「……」


 冗談じゃない。そんなことにオレのガンを使わないでくれ。足がつくじゃないか!


「ていうより、殺したいのはおまえなんだけどな」


 !?


「オレが何をした!?」


「生きてるだけでオレはメーワクしてんの」


 ちょっとまて。


「話し合いの余地はないのか?」

「あると思うか?」

「せめてわけを言えよ」


「ミユキがお前を好きになったんだってよ」


 オレはちらっとベッドの下に目をやった。失策だったのは言うまでもない。


 さといアイツは、ぱっとシーツをはぐと、そこに隠れて身を縮めていたミユキを発見。


「標的変更だ」


 アイツはモデルガンの引き金を引いた。ミユキは声もたてずに息絶えた。


 そんな……。



               END

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