Bastrds Hexe -出来損ないの魔法使い-

比名瀬

はじまり

世界のおはなし

 魔法。


 それは、不可能を可能にする祈跡。

 大昔にはそんな風に呼ばれ、大気には充分な魔力マナが満ちておらず、人が体内に生成出来た魔力マナも微々たるものだったようで、本来なら魔法を使う事さえ出来ない事が当たり前であったという。


 では、なぜ魔法がそんな世界で生まれたのか?

 なぜ、魔法が使われるようになったのか?


 昔、ある災害により文明崩壊を起こした人々に、7人の魔女が教え説いた事で普及していったのだという。


 7人の魔女。

 紅蓮ぐれん氷結ひょうけつ疾風しっぷう烈震れっしん守護しゅご虚無きょむ記憶きおく


 彼女達が人々を導き、人々を救った。

 そして、人間が自分達の力で生き伸びられるようになった時、彼女達は姿を消したのだ。


 そこから人類史は、魔法と共に再び記され始めた。


 伝承の一つとして、語り継がれている。


 そこから数十年。数百年。数千年が経過した現在──


 ノルントン王都国立魔導学院。

 アミティ王国の中心に栄える王都ギルハバルから少し離れた土地に設立されている、王都よりは見劣りするものの、巨城のような外観の学校だ。

 そして、ここは世界で唯一残っている魔法を学ぶ事の出来る学院である。


 世間に普及している筈の魔法がなぜ、ここだけでしか学べないのか?


 それは世界中が、【終焉の闇】と呼ばれる黒い靄に呑み込まれてしまっていて、アミティ王国周辺の大地だけが、まだ呑み込まれていないからである。


 さあ、そろそろ世界の話はいいだろう。


 この物語は1人の少年が──


 ただの落ちこぼれの少年が───


 魔法の極意に手を伸ばす物語なのだから────

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Bastrds Hexe -出来損ないの魔法使い- 比名瀬 @no_name_heisse

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