若紫の君と、光源氏になれない僕

いなほ

桜miracle

登場人物紹介・ざっくり物語舞台解説


雅行(まさゆき)

 本作の主人公。朝廷に出仕している青年で、使部(しぶ)という官職を務めている下級役人。

 責任感が強く生真面目な性格。「身の丈に合わないことはしない」がモットーで、自分がすべき最低限のこと以外には何にも興味を示さないため、恋愛にも興味がない。父親は一世を風靡した歌人だったが、なぜか和歌が嫌い。

 成り行きで、北山で出会ったある少女のお願いを聞くことになり、雅行の心に変化が訪れるが……?


???

 雅行が訪れた「北山」の寂れた庵に住む少女。庵の外には出たことがないが、幼い頃に一度だけ見た「都中に桜が咲き誇っている」光景を忘れられず、雅行に「桜を見せてほしい」と願う。

 北山(きたやま)……現在の京都市では、岩倉から衣笠方面を指すといわれている。


惟憲(これのり)

 雅行の幼なじみで友達。朝廷に出仕しており、大舎人(おおとねり)という官職を務めている。人懐っこい性格のムードメーカー。雅行と違い、健康的な平安男子らしく、それなりに恋愛に興味がある。何にも興味を持たない雅行を「素敵な女人探し」に連れ出すが、雅行には呆れられている。雅行を何かと気にかけているが、気遣いが空回り気味。


七日桜(なのかざくら)

 北山のどこかに咲くとされる桜。一年に七日間しか花を咲かせず、その姿は夜にしか見ることが出来ない。「この世で一番美しい」と謳われるほど美しいと伝わるが、その姿を見た者は誰もいないといわれている。


 平安京……平安京は鴨川以西の地域にある。現在の京都市でいうと一条通からJR京都駅までの広さだったといわれている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

若紫の君と、光源氏になれない僕 いなほ @inaho_shoronpo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ