　ボクはネオン。

　ボクはまだ、夜、君の街で赤い光を放っている？

　そう、ボクの主な使い道はネオンサイン、それしかない。

　しかもボクが作っているのは、赤橙の光だけ。他の色は、１８番とか、他の元素が作ってる。

　それでも夜を照らすきらびやかな電光を、『ネオンサイン』と呼んでくれるから、ボクはかろうじてこの名前を知られている。

　その『ネオンサイン』も、きっと遠くない未来に絶滅する。

　ひょっとしたら、『ネオンサイン』の名前だけは残るかもしれないけれど。

　それはボクじゃない、もっと新しい仕組みが生み出す光だ。だから夜の街に出掛けたら、きらびやかな電光掲示板を確認してみてほしい。

　ねえ、

　ほんとうに、ボクはまだそこにいる？

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