第13話ゲーム開始の合図

「さて、明日の試合のルールを決めようか?」


「ああ、そうだな。」


現在の時間は三時十五分、本当なら6時間目の授業が始まってる時間だ。


だか!先生が何処からか聞きつけ特別に話をして良いことになった。


「ルールだけどこっちで決めてもいいよな?」


「ああ、まぁ少し位のハンデならあげないとつまらないからね。」


こいつもう勝った気になりやがって。


「じゃあ、この紙にまとめてきたから見てくれ。」


俺は手に持っていた紙を渡して。


・試合におけるルール


その1、シュートは1チーム一回まで。


その2、最初のパスは邪魔をしないこと。


その3、試合時間を14分とする。(前半、後半それぞれ7分ずつ)


その4、後半に選手の交代をしてもいい。


その5、3on3であること。ハーフコートであること。


「これだけだが、良いよな?」


「ああ、構わないがこのシュートは1チームに一回までと言うのはどういうことだ?」


「それは、ま、簡単に言うとお前らのチームも俺らのチームも攻守するときに攻める側はシュートは一本までということだな。」


納得したように頷いた。


「ルールはこんなもんだな。」


「ああ、わかったよ。さて、あの話だけど本当にいいんだね?」


こいつの言うあの話とは、この前の賭けの話だ。


「勿論だとも。勝てれば好きにすればいいさ。勝てればな。」


「勝てるさ、だって僕がいるからね。」


そう言うと授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。


「それじゃ、終わりのホームルームをするから元の席につけ。」


先生が手を叩き皆に合図を出した。


……………………………………………………


「本当に良かったのかな?」


授業が終わり、教室に自分達以外の人影がなくなっていた。


「今頃それを言うか?」


「それも、そうだけど……。」


「そうよ!今頃どうしようもないんだから気楽に行きましょ!気楽に!」


お前は気楽過ぎんだろ。


「それよりもだ。明日の試合だが。正直言ってこのままだと負ける。と言うか、絶対負けるな。」


「ちょ!さっきは、あんな啖呵切っといてそれはないでしょが!」


「最後まで聞けバカが!これから言うことを明日までにやれるようにして欲しい。」


俺は二人に近づき明日の作戦を話した。


……………………………………………………


「お兄ちゃん?もう寝ないと体に悪いよ?」


水無月が心配して話しかけてくれた。


流石は俺の妹だな。


「なぁ、水無月。少し話があるんだけどいいかな?」


「ん、何?お兄ちゃんが私に話があるなんて珍しいね?」


そう言うと俺が座っているソファーの隣に座った。


「あのな。少し長くなるけどいいか?」


「いいよ。だって私のお兄ちゃんだからね!」


満面の笑みでまるで天使のような見た目だ。


もう一度言おう。


流石は俺の妹だ!!!

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