第4章 沙織と涼香の秘密

  「二人とも....。どうしてここに。連絡も通じないし...」

  「連絡??あっ、ほんとだ。私達、話し合いに夢中で....。昨日あれから、先輩の答えについてずっと考えていて。やっぱり、思い出したくないのかなって。」


 ...あれからずっと、、か。二人とも寝ないで考えてくれたんだ。俺も、答えは決まった。二人に伝えるべき事はただひとつ

  「探しにいくぞ。亜美。沙織。」

  「先輩...。もちろんです!! 必ず見つけて帰りましょうっ!」


_____あれから、電車に揺られて1時間。俺たちは、公園に向かっている。涼香の"桜への手紙" 探すのが大変かと思っていたけど、桜の木はすぐに見つかった。

公園の真ん中に立つ大きな木。

 

  「この木の下にあるのか...?」

  「先輩。掘ってみましょう。この桜に込めた涼香の思い。」

 俺たちは、2年前のあの日に戻るんだ。そう、、、。二年前...。


____あの日は、みんな用事があって会えなくて。ちょうど夕方だったかな...。

  『竜輝っ! 今、涼香ちゃんのお家の人から電話が来て....。涼香ちゃん、線路に飛び込んだって...。死んじゃったのよ...。』

 俺の母親は、いつだって笑顔で俺に泣いてるとこ見せなくって...。でも、その日は目の前で崩れ落ちて泣いていた。

 そして、葬式。俺は、涼香のお母さんに挨拶をしに行こうとしたんだ...。そしたら、俺の方に涼香のお父さんが来て...。

 

 ____パシンッ


  『涼香の彼氏としてお前は失格だ。自殺の1つも止めれないんだったら、別れさせれば良かったな。....帰れ。もう、分かっただろ。ここは、お前が来るとこじゃない。』

  

 いきなりの事で、頬の痛みは感じなかった。けど、涼香のお父さんの言葉はずっとあの日から消えない。耳が痛いほどリピートされていた。


  「.....い。先輩っ!」

  「え。あ、どうした。」

  「先輩こそ、さっきからずっと呼んでるのに気づかなかったじゃないですか。どうしたんですか?...もしかして。涼香のお父さんの__」

「....っ! それ以上言うな。俺のトラウマなんだ....。...早く見つけよう。日が落ちるぞ。」

 なに、後輩に怒鳴ってんだよ。全て自分が悪いのに。

 

そんなことを考えながら、40センチくらい掘ったのかな...。

 _____カンッ

  

  「あった...。亜美!沙織! ここだ。ここにある。」

 これで、涼香の自殺の理由がわかる...。


  「あっ、雨...。」

  「こんなときに....。箱取って、地面元通りにしたら急いで帰るぞ。」

 

 箱を開けるのは、家についてからか...。


  「...桜散る雨の日...か。」


________沙織.......?

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