ただ生きたかった。人として――。

わずか10歳にして親に売られた少年。
彼には、奴隷の身分と暗殺術、そして《イヌ》という名前が与えられた。
イヌが盗賊団から解放される条件は、『崖の上の砦を落とす』こと。
……だがそそり立つ崖は、彼の希望をやすやすと打ち砕く。
それから数年。自由をなかば諦めていたイヌは、驚異的な身体能力を持つ少女《ネコ》と出会った。
(彼女を利用すれば、あるいは砦を……!)
青年の目にふたたび光がともる。
しかしネコには、ある致命的な弱点があった――。

著者による感情を抑えた筆致でつむがれる哀しみと闘いの物語。はたして、ふたりに《自由の日》は訪れるのか!



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