エピローグ1 ウィズ

 それは凄まじい爆裂魔法だった。


 爆裂魔法を極めためぐみんさん、人間で最強の魔法使いのゆんゆんさん、この二人の爆裂魔法。


 過去、デストロイヤー戦での私とめぐみんさんが撃った爆裂魔法以上の爆裂魔法。




 遠くから遠視の魔法を使って、ゆんゆんさん達の様子を見ていたのだが……。


 本当にすごかった。




「どうだ? 満足したか?」


 私の友人が問いかけてくる。


「私は……正直後悔していました。めぐみんさんに本当にリッチーになる方法を教えてよかったのかと……彼女を不幸にさせてしまったのではないかと……」


「……」


 私の友人は静かに聞いてくれる。



「でも、今日の爆裂魔法を見て……少しだけ、少しだけ救われた気がします」


 私は一人納得する。




 では帰りましょうと、帰路に就こうとすると。


「汝は後悔しているのか? リッチーになった事を……」


 私の友人がびっくりするくらい意外な事を聞いてきた。


 しかも、少し申し訳なさそうに。



 そんな友人に私は微笑み。


「おかげさまで素敵な日々を過ごしてますよ」


 私は短く楽しげに答えた。


 私の友人にはこれでいい。これだけで全部伝わってくれるはずだ。


「そうか」


 私の友人も短く答えてくれた。


 そう、私達はこれでいいのだ。




「フハハハハハハハハハハ! 閃いた! 我輩、素晴らしい案を閃いたぞ!」


 突如、私の友人が陽気に声を上げる。


「ウィズよ! 素晴らしい案を閃いた! 新たな儲け話だ! さあ帰り次第、着手するぞ!」


「はい。バニルさん」


 私達はいつもの日常に帰って行った。

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