春と鼓動

@blanetnoir

春と鼓動



想いが滲んで、鼓動をうつ。



いつも真っ直ぐに俺を見つめた、輝く瞳の君と、その君を愛した俺。



青き春の刻を過ごした学び舎で、

2人の愛を育てていった。



俺が卒業する春に、

2人想いを確かめ合って、

その次の春に君も俺に追いついて。



これから俺らは2人の足で人生を駆けていくはずだったんだ。







彼女は彼女なのに、

あの人の鼓動を受け継いで


あの人の想いの居場所を与えてくれた。


また、俺を探してくれた。


あの人の心に刻まれた俺が、

彼女の瞼の裏に、姿をうつした。


2人で過ごした時間の思い出を、

俺にのこして、


君と共に生きていくと、

この先何が起ころうとも隣にいると心に決めていた俺を、

置いて


1人で天国へ旅立った君は。


世間の男が送る一番真っ当な幸せをさいごに祈っていたね


君の瞳に光が差すことはもうないと、知らされたあの日から。


自分ではない誰かと、この先の人生を過ごす幸せを、俺に得て欲しいと、

小さく小さく呟いて。


俺はとっくに心に決めていたよ。


知っていたよ、


俺を幸せにしてくれるのが、

誰なのかを。


それが君だってことを。






なぁ、だからさ。


彼女が現れたとき、

また俺は君と出会ったんだ。


そう、思っていいのかな。


彼女は彼女なんだけど、


君の鼓動を受け継いだ彼女だから、

彼女は俺を見つけたんだ。


そこに君がいたから。


彼女の瞳は俺を映したんだ。




君の、心臓を、受け継いだ彼女を




俺は








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