第31話
その時、ふとおれは催してきたのに気づいた。
「あのう・・・すいません、トイレはどこにあるんですか」
「ここから少し離れたところになります。案内させましょう」
タケミカヅチは再びポンポンと柏手を打った。すると今度は10歳くらいの、白いヒラヒラした服を着た女の子が現れた。
「オトムシメ、なれ、タケオの君を
オトムシメと呼ばれた女の子は軽くうなずくと、おれに一礼をして、そそと廊下の方へ歩き始めた。おれはあわてて後を追った。
それにしても大きな館だった。正面から見たときは気づかなかったが、奥行が相当有り、いくつもの建物が屋根付きの渡り廊下でつながっていた。そしておれは見たこともない建築様式の館を見知らぬ少女の先導で歩いてゆく。いったいどういう状況なんだ・・・。
オトタチはどこへ行ったんだろう?戦闘の場で演奏するってどーゆーこと?あっ、そういえばマッドマックスでギターをガンガン鳴らして、太鼓をどんどこ叩くシーンがあったが、ああいうことだろうか。
ぼんやりと色々なことを考えていたら、オトムシメがおれの手を引っ張った。薄暗い廊下の突き当りに引き戸があった。
「厠なり」
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