彼女が悩み抜いた末にある、新たな、そして確かな未来

まずは、堂々の完結、おめでとうございます。

物語の中にしっかりと確立された近未来の世界観。独自のルビに彩られた、澄みきったイメージのある映像的かつ叙情的な文章。
最初の章を読んだ瞬間からその世界に引き込まれて、主人公のホムラに魅了された。

ホムラは自身の母親の影を背負いながら、自身のとるべき道、この世界の正義やヒュムの命について、ひたすらに悩み続ける。
私たちはホムラに寄り添いながら、彼女が様々な人物と出会い、考えをぶつけ合い、やがて世界の在り方に対して彼女がどう向き合うか決意するのを見届ける事になる。

ラストを読んだ時の爽やかな気持ちは格別だった。
この無二の物語に出会えて本当に良かったと思える。まだ読もうかどうか迷っている貴方に、自信を持って薦めたい。

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