第7話ダンジョン攻略で晩餐を! 4

ダンジョンに入ってから数分、案外深い構造になっているようでモンスターに遭遇することもなければ奥地と思われる場所に着くこともない。

「ちょっとカズマさん。これってダンジョン内は平和ですとか入っても問題ありませんで報告終わるんじゃないの?下手に降って行く必要もなさそうなんですけど」

「クエストの内容は探索だろ?誰も中確認してないんだからある程度中を探索しないと帰るに帰れないし何よりこのクエストを選んだのはお前だ。最後まで責任持って探索しろよ」

今絶対嫌な顔したな。暗くてあまりよく見えないがあの駄女神のことだ、絶対にそうする。

暫く歩くと少し明るい部屋に辿り着いた。だが、案の定何もなくただの空間が広がるだけ。落胆はあったものの無事にクエストを終えたという安心感の方が大きく、俺たちはダンジョンを脱出した。

「クエストのクリアを確認しました。今回の探索の結果、洞窟内の安全性は保障され、難易度も非常に低く新米の冒険者が挑むのに大変宜しい構造であるということがわかりました。また、奥地までのルートも割り出せたので探索とマッピングの同時クリアと見なして………」

中々悪くない額、確かにクエストの内容は探索。そして、出発後に出された内容にマッピングがあったそうだ。思わぬ収穫だがこれもまた日頃の行いなのだろう。

「ところで…カズマさん。私、頑張ったわよね?だから…その…お酒…」

下心見え見えの要求、思えばこいつがやる気を出した理由はこれ以外にないだろう。

「…飲み過ぎるなよ?今回はお前がクエストを受けたいって言ったからこその報酬だったしな」

「やった!お酒!美味しいシュワシュワ!」

こいつが喜ぶ顔ってのは女神と言うよりは普通の街娘に近いのだろう。ただはしゃいで、ただ楽しんでただ目の前のことに夢中になる。悪意がないのもわかるが…もう少し物事を考えてくれれば…

「ガシャァァァアン!」

へ?

「……………カズマさん」

「おま………何してんだよ?!はしゃいぎ過ぎにも程があるだろ?!」

一難去ってはまた一難。この駄女神…運ばれてくる途中の料理ぶちまけ…

「潜伏」

「へ?カズマさん?」

……。

「何してんだ?」

「あっはい…その、ごめんなさい…悪気はないんですぅぅうううう!」

脱兎の如く走り出すアクア。それを追いかける荒くれ者。アクセルの平和な日常は今日も変わりなかったとさ。

「ちょっとカズマさん!早くなんとかしてよ!」

ちゃんちゃんっと。

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この麗しの女神様に賞賛を! 風祭 @kazamatsuridays

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