第21話 遊びましょ♪

急降下する私たちの体をどうにか整えようと、魔法を発動したのは良かったのだが急ぎすぎたせいで途中噛んでしまったのが原因。

魔法は不発、しかも着地魔法ではなく急降下魔法を発動してしまい事態をさらに悪化させてしまったのだ。今度は嵐の中にいるかのように風が切りつけてくる。

そろそろ服も限界のようで長袖だったはずの服が半袖になっている。

なんにせよ事態は最悪ということだ。

しかしその瞬間、体がシャボン玉のような丸いものに包まれダメージがなくなった。隣を見ると樹里が得意げに笑っていた。(やられた)そう思った。

昔から私の後ろをついてくるイメージだった樹里に初めて助けられたのだ。否、2回目か。


「ありがとう樹里!」


「いえいえ、これくらいおやすい御用」


執事風の口調をしながら樹里は答えた。そのころ雪夜はホッとした表情でプカプカ浮いていた。

そのまま落下していくと、今度は最新のビルのような綺麗な壁や床、会議室のようなものまであった。カサリと音を立てて落ちてきた一通のカードには

『いらっしゃいよくここまで来たね。それじゃあもう少し遊んでもらおうかな』

パソコンで書かれたその文字からは誰が書いたなんかわかるはずもなく、わかることといえばこれからまた決していいこととは言えない出来事が起こるということだった。


「まだなんかあるのかよ」


雪夜が嫌そうに呟く、そういえば彼はいつからさっきの場所にいたのだろう。

少し前に来たような雰囲気ではなかったし…。

稲妻が走らずにいきなり落ちてきた雷のように前触れもなく降ってきた。大量の…『虫!!』


「うあああああああああ、消えろ消えろ消えろおお!!」


うじゃうじゃしてる虫を前に四方八方に炎を打ちまくる。

炎はどんどん落ちていくが、部屋が燃える気配はない。

落ちてくる燃えているものをすかさず雪夜が水で消していた。

しかし、それだけやってればいいものを確実に私に向かって水をかけてきたのだ。


「はぁ!?なにすんの、私は炎じゃないから消さないでいいの!」


「ごめんごめん、方向間違えたw」


「笑ってると説得力皆無だかんね」


「…」


なんでかけるのかマジでわかんないんだけど。

樹里はその間に他の奴らを倒してる(外に出してるだけ)し、本当樹里を皆らって欲しい。ってかこれ全部お兄ちゃんの仕業だよね。あとで絶対仕返ししてやる。


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