『Ruby王子の1日』~無粋な付き人~


「良いですか、王子。本日は…」


「王子ぃー!おめでとうございます!」


ーバンッ!ー


Peridotが言いかけたその時、Ruby王子の寝室の扉が勢いよく開かれた。


「Amethyst(アメジスト)…騒々しい上に五月蝿いぞ」


従者の中では一番若く、バイオレットのふわふわの髪と瞳の童顔で、キーンと響く高めの声の持ち主ーAmethyst ーが目を輝かせている。


「騒がずにはいられないですよぅ!」


「はぁ…」


興奮した様子でベッドに近付いて話すAmethystにPeridotは溜め息を吐く。


「…だから、なんだと言うんだ」


Ruby王子は訳の解らないといった表情で冷静に言う。


「今日は王子の二十歳の生誕祭ですよ?」


「……は?」



Amethystの一言にRuby王子がポカンと口を開けて間抜けな声を出す。


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