昨日彼女をみたわ


月明りに彼が歩いてたわ


それらしい愛の歌を歌っていた


綺麗な言葉で破滅を呼んでいたよ


相変わらず美しい翼を持って


苦痛に歪む顔が素敵


あの娘に眼をあげたのよ


あら、あの娘には腕をあげたって聞いたわ


あの美しい眼を貰えるなら何でも差し出すのに


私は翼が欲しいわ


飛べない翼よ


動かし方を知らないのよ


ほら、聞こえる?彼女の声がしない?


彼が泣いてる


愛の歌を悲しい声で歌いながら


探してるのよ


待ってるんだわ


すぐそこにいるのに


気づかないのね


あの子にあげちゃったから


彼女は繋がれてるの


彼は忘れたいの?


忘れないわよ


すぐそばにいるのに







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る