第六層の悲喜劇?

第六層


 身体に見合った大きさの籠を背負い、大きな樹に向かって声を張り上げた。


アウアアウラ兄姉アニネー様ー! マーエマーレ姉兄アネニー様ー! ドーコー?」


 背の高い樹から、ふらりと落ちて来たがスタッと降り立つアウラ。違和感はある、脱力もまぬがれないが、まぁ、慣れた。

対照的にボテッと転がり落ちたマーレ。つい力が抜けたまま落ちてしまったようだ。納得はしているが、未だ慣れない。


「あははっ! よく来たね!」

「う、うぅー。そ、その呼び方は、如何にかならない?」


 その脱力を振り払う様に威勢よく声を上げるアウラ。

如何にも力が入らないで居るマーレ。


「ドシテー?」


 何故そんな事を言うのか今一納得していない様子で小首を傾げている。


「マーレ、いい加減諦めたら?」

「でも、姉様はまだ良いけど・・・」

「まぁまぁ、諦めが肝心だと思うよ?」

「うー」


 諦めきるには何とも言えない様子のマーレ。


「で、今日は何をしに来たのかな?」

「おリンゴとぉ、おミカン! 採りに来た! お使いなの!」

「そっかぁ、じゃあ一緒に行こうね」


 左右の手を持って貰い、てくてくと・・・。

さほどの量は入らない分、厳選して採られる。



 その後、それらの果物はコキュートスの呼気によって凍結され、解凍されたのちにジュースとして絞られたり、副料理長たるピッキー(?)の手で様々なモノへと転じて行く。



   ・・・   ・・・   ・・・



アウラ  優しいお姉ちゃん  アウア姉兄様?

 可愛い! 可愛い! 可愛い! 《大事な事なので三遍》

良くお話をしてくれる。 =難し過ぎて分からない事が多い!


マーレ  優しい・・・お兄ちゃん?  マーエ兄姉様?

 一寸苦手。スカートを履いている時、引っ張られて脱げそうに・・・。

兄なのか姉なのか、今一判らない?

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