リRPG!

まぎょ

▼ゲームでいうところのプロローグ


_______え?なにこれ?


目の前に広がるの景色は、真っ赤な炎の海と高層ビルを上回る大きさの怪獣。可愛らしい見た目とは裏腹にえげつない速さで空を飛ぶ鳥。見たこともないような気持ちの悪い大きい蜘蛛。他にも沢山いる奇妙な生き物から逃れようと逃げる人々。

まるで、ゲームのプロローグのような景色だ。

もう行けなくなった会社から出た途端にこの景色。

夢なら覚めてくれ、と思ってしまうぐらいありえない。

そんなことを考えながらもただただ目の前の光景に呆気に取られ続けている。そんなとき、


「パパァーーーーー!!!!!」


遠くの方からこちらに向かってくる声が聞こえる。

この声には聞き覚えがあった。

双子の息子娘とそっくりの声だった。

でも、そんなはずは無い。今は学校に行っている時間だし、そもそもここは職場。こんな場所に来るはずがない。


「パパァーーーー!!!!」


しかし、声は全く同じだ。毎日聞いている、大事な家族の声だ。

だが、声だけで姿は見えない。


「起きてーーーーー!!!!!」


やっぱりこの…………え?……起きて??



そして理解した。これは夢だ、と。

考えてみればそうだ。俺はフリーターで定職に就けず、家族に迷惑をかけているクソ。会社から出てくるなんてありえない。


「お仕事だよーーーーーー!!!!」


そうだ、思い出した。今日は、やっと仕事が決まった日だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る