第7話

 すごいまえに、


 辛酸を嘗めるのも楽しんで学ぶ


 ことを書いたと思います。


 なにそれ? と思うかも知れないけど、


 ただでは起きない。


 という言葉にすればわかりやすいかも知れないです。


 失敗しても、嫌な思いをしても、


 すべてが作品のネタ


 だと思えば、こんな嬉しいことはないです。


 こんな嫌な思いを主人公がして、救われたり、努力が報われたりしたら、


 読者が共感してくれます。


 なんでかって言うと、そういう苦労は割合ありふれているからです。


 だれでも舐める辛酸を、感情込めて書ければ、読者は「わかる、その気持ち!」となると思います。


 そういう嫌な思いをさせた張本人や悪玉が、悲惨な最期を遂げたり、負けたりしたら、


「いい気味だ!」と、読者は思います。


 大衆小説を書くときは、自分や読者だって感じたり、陥る苦境を書いて、そこから報われる話だと、すごく共感を受けると思います。


 超スーパーヒーロー(ヒロイン)で特殊能力を持つが故に悩む話


 高貴な生まれなのに苦境に陥れられて苦しむヒロイン(ヒーロー)の話


 とかは、ラノベ向きです。


 だって、主人公が 厨二病 だから。


 バカになんかしてません。


 わたしだって、7歳から15歳まで、嫌な思いをしたら、


 神界から「おまえはじつは世界を救うものなのだ」と言われる夢(妄想)


 に耽り、シビアでやるせない(または退屈な)現実をしのいでましたから。


 そういう自分じゃどうしようもなかったり、自分でもどうしたら良いかわからない思春期の葛藤を、作品に写しだして、読者も一緒になって気持ちよくなる作品を書くのも、プロの仕事です。


 でも、プロも一緒になって、その世界に浸って出られない状態は良くありません。


 大人になってください!! それも悪い大人に。現実もわかるし、夢もわかる、悪い大人が一番です。


 作家の仕事は、夢と嘘を売る仕事です。虚実を巧みに真実のなかにはめ込む、彫金師。嘘事なのに、もしかしたらと思わせる錬金術師。魔法使いです。30歳過ぎても童貞、処女でいるのも大切です。(嘘です)


 現実や真実を書くのは、ドキュメンタリー作家に任せましょう。


 なにもないところから夢をつくりだす仕事は、現実と根付いています。


 現実を知っているから、夢が描ける


 と思ってもまちがいないです。


 そして、作品を書いてるときだけ、これは本物だと信じていましょう。


 こんなことあるわけがない、と書いてる最中に思っていたら、筆は正直です。読者にも伝わります。


 詐欺師は自分も騙す嘘をつく。作家もそうであった方が良いのです。


 本を閉じたら夢は終わり。でも、その夢の余韻に浸れるようなものがかけるといいな、と思います。

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