普通の小説家と俺との違い!

杉浦 伸斗

序章

俺の名前は安川栄司。少し変わった小説を書いている、友達のいない可哀想な人間だ。二階建ての一軒家に住んでいるが、母さんが海外出張中のため、今は一人で暮らしている。人とはいろいろな運命の分かれ道を選んで生きていくが、俺はどの道にも当てはまらなかった。正確にはどの道も俺を通してはくれなかった。だけど、ある少女が現れてから俺の世界は大きく変わる。


つい一時間前



待ちに待ったこの日。その日は気分がよかった。今日は数日前に投稿した小説の書籍化されるかされないかの発表日だった。

「天気良し!回線良し!」

俺の家の前は林があり、少し回線が悪くなるときがある。だが今日は回線がいい。そんなことはどうでもいいんだ。さっさと見ないと。俺はキーボードを踊るように打って、マウスをクリック、下にスクロールする。

「さあ、さあ俺の小説はあるかなー!」

正直今回のコンテストには自信があった。今まで書いてきた小説は全て落選だったが大丈夫。今回は大丈夫。そう心に言い聞かせて俺はついに1番下に来てしまった。

「.......ん?」

無いんだよな。やっぱり。そうなんだよな。正直なぜ無いのかが検討もつかなかった。もう無理なんかな俺って。

結果は落選、またもや落選。

俺はイライラしたこの怒りを自分が腰かけていた椅子にぶつけた。今日は休日。学生の俺にとって休日とは、大切なもの。もちろん素足である。椅子が少し動いたところで止まり、俺の足はじわじわと痛みが増してきた。赤くなってきたつま先をみて、俺は涙目になる。

「痛ってえええ!」


《馬鹿なお前、痛いやついろんな意味で。》


そう自分に言い聞かせると、俺はつま先を掴んで、片足でベッドに向かった。横たわって寝る体制をとる。


そして俺はゆっくりと眠り.....。

寝れない、イライラする。

「こんなんじゃ寝れねえよな、明日は絶対不機嫌だ。あーあ、クソ!」

俺は上半身だけを起き上がらせて、一瞬だけ脳を停止してから、数秒経ってまた再起動した。


ベッドから起き上がろうとし、足を床について立った。


————その瞬間、いきなり猛烈な振動と轟音が栄司の体を襲った————


大きな振動と共に栄司の体を勢いよく揺れ、無様にまたベッドに横になった。

「な、なんだよ今の」

爆発か?それともなんだ、林の木が倒れたのか?

俺は今、多分ものすごく驚いた顔でいるだろう。一瞬大地震が来たかと思ったがそれは無く、数秒で振動は収まった。だが轟音の音はまだ小さくだが残っている。

一階に降りて玄関に向かった。玄関を開けて外を見るとものすごい日差しが差し込んできた。

「眩し」

正直二日も暗い部屋の中、ゲームだったり小説などを書いていると、この日差しは大分俺の天敵だ。

そしてようやく顔から手を離し眩い日差しを我慢しながら目を大きく開けると、そこには信じられない事が起きていた。

半径二メートルの円の窪みができており、その中心には白髪のロング、同じくらいの歳だろうか女の子が仰向けで横たわっていた。そして俺はある周りと違った様子に気がつく。

彼女だけ妙に色が識別していた。そして俺はようやく思い出した。

彼女はアニメや漫画でいる二次元風の女の子だったのだ。初めてだった。

今まで数々のアニメでこういう場面があったが本当に起きるとは。小さい頃、アニメの登場人物とか主人公に入れ替わりたいと思っていたが。それと似たような不思議な現象が今目の前で起きたのだ。興奮気味な俺は彼女が大丈夫か心配になり、恐る恐る手を彼女の肩に近づけた。

そうした瞬間、俺の手を遮るかのように彼女の目が開き、起き上がり初めた。俺より十センチ程度低い姿だか、下から眺めると凄い偉大さを感じた。

気持ち良い風が吹いたと共に、彼女のスカートがヒラリと上に向かって上がった。

「少し派手だが、ピンクと白のシマシマ模様、なかなかいいセンスじゃないか!」

俺の動体視力は凄まじい早さで彼女のパンツの色を見抜きった。

「ひ、ひゃあ!この変態!」

ペちんと大きな音がなり、俺の視界がガクッと揺れた。目を開けると彼女はスカートに手を当てたままでいた。

俺はすぐさま誤った。

「ご、ごめん!初めて女の子のパンツを生で見ることができたから、つい、ね?だから許してくだっさい!おなぃシャッス!」

後半は早口で野球部の始まりの合図みたいになってしまった。

彼女は頬を赤くさせながら言う。

「そんなことよりも大事な用事でこっちの世界に来たの!」

「大事な用事って?何?」

「うっううん」

そして彼女は言った。



————私があなたの運命を変えに来ました!————


そしてその瞬間、彼女と俺と沢山の二次元の女の子との物語が幕を開けた。








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