ジュブナイルが終わり、けれど人生は続く

読み終えて、深いため息をついて、もう一度最初から読み返しました。

この物語の主人公は「普通」の人で、彼が取る行動も概ね「普通」です。
ただ、彼が選択を迫られたとき、事態はたいてい手遅れで……彼が辿り着いた結末を変えるには、それこそ順当で自然な事の成り行きをぶち壊すような何かが必要だったのでしょう。それを非凡と呼ぶか、異常と呼ぶか。少なくとも、彼が選び取った「普通」の未来は、異常者には掴み得ない悲しくても尊いものであると私は思っています。