第14話 ひと段落


翌日


アリーシャ達は、午前中から商談のため出掛けていた。

3人は、馬車の中で話し合っていた


「今日は、来ると思う?」


「わからん。だが狙ってくるとしたら馬車から降りたタイミングでくると思うぜ」


「ちゃんと、護ってよね」


「わかってる」


そんな会話をしつつ3人は辺りを警戒しつつ馬車に乗っていた。




その頃、アリーシャを狙っている狙撃手はアリーシャの商談が行われる場所の入り口がよく見える100mほど離れた屋根の上にいた。


(さてさて、上からの指令だとターゲットが商談を終えて馬車に乗る直前に仕留めろだったな。さっさと終わらせてたいぜ)


そんなことを考えていると、アリーシャの乗った馬車がこちらに向かってきていた。

馬車は、建物の前に止まるとアリーシャと護衛の2人が降りてきてそのまま建物に入って行った。



2時間後


「じゃあ、商談はこれで終了ってことでいいですね?」


「はい、わざわざ来ていただいてありがとうございました。」


「それでは、失礼しますね」


そう言うとアリーシャ達は、立ち上がり部屋を出た。


「今日も何もなさそうね。」


アリーシャは、何も起こる気配がないので気が緩みはじめていた。


「そうですね。このまま何も起こらないと良いのですが…」


ハンナは、まだ不安が残っているようだった。


「ああ。俺も、何も起こらない事を願っているよ」


そんなことを話しながら入り口のドアをアリーシャが開けハンナが帰りの馬車を呼んでくるのを二人で待っている。




(お、やっと出てきたな。そんじゃ仕事をするとしますか)


弓兵は、弓を構えて矢を引き絞り狙いを定める。


(ここだ!)


そう思った瞬間、矢から手を離した。放たれた矢は空気を切り裂きながら真っ直ぐとアリーシャの頭目掛けて飛んでいった。


弓兵には、ターゲットを100%仕留めたという手応えがあった。


確信を持ちながら矢の行方を見守っていたが矢がターゲットに当たる直前で予想外のことが起こった。


ギリィン


何もない所で矢が突然弾かれたのである。


「な、何!」


思わず驚き声を出してしまう弓兵。



アリーシャは、突然何が起こったのか理解出来て居なかった。


目の前で突然何かが弾かれる音がしたのだ。

だが、一つだけ分かった事がある。イオルが魔法で守ってくれたのだ。


イオルは、矢がアリーシャに向けて放たれたと理解した瞬間、すぐに動いていた。とっさにシールドを発動し矢を防いだのだ。



弓兵は、ようやく気づいた。あの隣に居た男が防いだのだと、そしてその男がこちらを真っ直ぐ見つめていることに


(マ、マズイ⁉︎)


弓兵は、急いで弓を担いで地上に降りて逃げはじめた。





イオルは、矢が飛んできた方向を見ていると屋根の上に不審な人物がおり慌てて降りていくのがみえた。


「ちっ、あいつか!」


矢を放ってきたやつを見つけると丁度ハンナが馬車を連れてきた。


「ハンナ!俺は、狙撃手を追う!お前はアリーシャを守ってろ!」


そういうとイオルは狙撃手を追いかけていった。


(くそっ、速いな。このままじゃ見失う)


「エンチャント」


イオルは、自身に身体強化の魔法をかけ走るスピードを早め狙撃手との距離を縮め始めていた。




(くそっ!何だあいつは急に速くなったじゃねぇか)


必死で逃げるも差はどんどん縮まってきていた。追いつかれるのも時間の問題だった。


マズイと思った狙撃手は、弓を構え追っ手に向かって矢を放った。


シュッ


矢を放ってきた事にイオルは驚いたがシールドを展開して防いだ。


(よし、さっさと捉えて敵のボスを聞き出さないとな)


イオルは、右手を逃げる狙撃手に向けて差し出すと手のひらから6本の光の鎖が飛び出した。


鎖は、6方向から狙撃手に迫っていった。鎖は敵を追い越してから囲う様に円を描いてから手に絡みついて捕らえた。


「く、くそ!何なんだお前は!」


「さあな。お前には、これから話して貰わなきゃいけない事があるから連れていかせてもらうぜ」


「ふざけんな!誰が話すか!さっさと解放しやがれ!」


人の命を狙っておいて解放しろとは何ともふざけた言い分である。イオルは、こんな言い合いに付き合うつもりは、さらさら無かったのでスリープの魔法を使い、狙撃手を眠らせた。


「話しや…が…」


魔法が聞いてきたのか狙撃手は眠りについた。


「よし、これでひと段落だな。」


そう言うとイオルは、眠った狙撃手を魔法で浮かせるときた道を急いで戻った。





アリーシャ達は馬車に乗って待っていたが戻ってきていたイオルに気づくと馬車を降りて慌てて駆け寄ってきた。


「イオル!大丈夫だったの⁉︎」


「イオルさん!無事ですか⁉︎」


「おう、問題ない。それに敵もちゃんと捕まえたしな。」


「よかったぁ…」


アリーシャは、相当心配していたのかイオルの無事を確認して安心したのか足をもつれさせてイオルに向かって倒れてきた。


「おいおい、お前のほうが大丈夫じゃなさそうだぞ」


困ったようにアリーシャに言うイオル


「本当に無事で良かったです。」


ハンナも心配してくれていたのか安堵の声を漏らした。


しばらくすると2人はようやく落ち着いてきたのか狙撃手について聞いてきた。


「そいつが矢を放ってきたやつなの?」


アリーシャが憎々しげに言う


「そうだ。だから、はやく帰ってこいつから色んな情報を聞かなきゃ行けないからな」


「そうですね。はやく帰って落ち着きましょう」


ハンナは、疲れた様子で言ってくる。アリーシャもそれに続いた


「そうね。それじゃあ馬車に乗って帰りましょうか」


アリーシャはそう言うと馬車に乗り込んでいきハンナもそれに続いていった。


「おう、さっさと帰ろうぜぇ」



翌日


アリーシャ達は、午前中から商談のため出掛けていた。

3人は、馬車の中で話し合っていた


「今日は、来ると思う?」


「わからん。だが狙ってくるとしたら馬車から降りたタイミングでくると思うぜ」


「ちゃんと、護ってよね」


「わかってる」


そんな会話をしつつ3人は辺りを警戒しつつ馬車に乗っていた。




その頃、アリーシャを狙っている狙撃手はアリーシャの商談が行われる場所の入り口がよく見える100mほど離れた屋根の上にいた。


(さてさて、上からの指令だとターゲットが商談を終えて馬車に乗る直前に仕留めろだったな。さっさと終わらせてたいぜ)


そんなことを考えていると、アリーシャの乗った馬車がこちらに向かってきていた。

馬車は、建物の前に止まるとアリーシャと護衛の2人が降りてきてそのまま建物に入って行った。



2時間後


「じゃあ、商談はこれで終了ってことでいいですね?」


「はい、わざわざ来ていただいてありがとうございました。」


「それでは、失礼しますね」


そう言うとアリーシャ達は、立ち上がり部屋を出た。


「今日も何もなさそうね。」


アリーシャは、何も起こる気配がないので気が緩みはじめていた。


「そうですね。このまま何も起こらないと良いのですが…」


ハンナは、まだ不安が残っているようだった。


「ああ。俺も、何も起こらない事を願っているよ」


そんなことを話しながら入り口のドアをアリーシャが開けハンナが帰りの馬車を呼んでくるのを二人で待っている。




(お、やっと出てきたな。そんじゃ仕事をするとしますか)


弓兵は、弓を構えて矢を引き絞り狙いを定める。


(ここだ!)


そう思った瞬間、矢から手を離した。放たれた矢は空気を切り裂きながら真っ直ぐとアリーシャの頭目掛けて飛んでいった。


弓兵には、ターゲットを100%仕留めたという手応えがあった。


確信を持ちながら矢の行方を見守っていたが矢がターゲットに当たる直前で予想外のことが起こった。


ギリィン


何もない所で矢が突然弾かれたのである。


「な、何!」


思わず驚き声を出してしまう弓兵。



アリーシャは、突然何が起こったのか理解出来て居なかった。


目の前で突然何かが弾かれる音がしたのだ。

だが、一つだけ分かった事がある。イオルが魔法で守ってくれたのだ。


イオルは、矢がアリーシャに向けて放たれたと理解した瞬間、すぐに動いていた。とっさにシールドを発動し矢を防いだのだ。



弓兵は、ようやく気づいた。あの隣に居た男が防いだのだと、そしてその男がこちらを真っ直ぐ見つめていることに


(マ、マズイ⁉︎)


弓兵は、急いで弓を担いで地上に降りて逃げはじめた。





イオルは、矢が飛んできた方向を見ていると屋根の上に不審な人物がおり慌てて降りていくのがみえた。


「ちっ、あいつか!」


矢を放ってきたやつを見つけると丁度ハンナが馬車を連れてきた。


「ハンナ!俺は、狙撃手を追う!お前はアリーシャを守ってろ!」


そういうとイオルは狙撃手を追いかけていった。


(くそっ、速いな。このままじゃ見失う)


「エンチャント」


イオルは、自身に身体強化の魔法をかけ走るスピードを早め狙撃手との距離を縮め始めていた。




(くそっ!何だあいつは急に速くなったじゃねぇか)


必死で逃げるも差はどんどん縮まってきていた。追いつかれるのも時間の問題だった。


マズイと思った狙撃手は、弓を構え追っ手に向かって矢を放った。


シュッ


矢を放ってきた事にイオルは驚いたがシールドを展開して防いだ。


(よし、さっさと捉えて敵のボスを聞き出さないとな)


イオルは、右手を逃げる狙撃手に向けて差し出すと手のひらから6本の光の鎖が飛び出した。


鎖は、6方向から狙撃手に迫っていった。鎖は敵を追い越してから囲う様に円を描いてから手に絡みついて捕らえた。


「く、くそ!何なんだお前は!」


「さあな。お前には、これから話して貰わなきゃいけない事があるから連れていかせてもらうぜ」


「ふざけんな!誰が話すか!さっさと解放しやがれ!」


人の命を狙っておいて解放しろとは何ともふざけた言い分である。イオルは、こんな言い合いに付き合うつもりは、さらさら無かったのでスリープの魔法を使い、狙撃手を眠らせた。


「話しや…が…」


魔法が聞いてきたのか狙撃手は眠りについた。


「よし、これでひと段落だな。」


そう言うとイオルは、眠った狙撃手を魔法で浮かせるときた道を急いで戻った。





アリーシャ達は馬車に乗って待っていたが戻ってきていたイオルに気づくと馬車を降りて慌てて駆け寄ってきた。


「イオル!大丈夫だったの⁉︎」


「イオルさん!無事ですか⁉︎」


「おう、問題ない。それに敵もちゃんと捕まえたしな。」


「よかったぁ…」


アリーシャは、相当心配していたのかイオルの無事を確認して安心したのか足をもつれさせてイオルに向かって倒れてきた。


「おいおい、お前のほうが大丈夫じゃなさそうだぞ」


困ったようにアリーシャに言うイオル


「本当に無事で良かったです。」


ハンナも心配してくれていたのか安堵の声を漏らした。


しばらくすると2人はようやく落ち着いてきたのか狙撃手について聞いてきた。


「そいつが矢を放ってきたやつなの?」


アリーシャが憎々しげに言う


「そうだ。だから、はやく帰ってこいつから色んな情報を聞かなきゃ行けないからな」


「そうですね。はやく帰って落ち着きましょう」


ハンナは、疲れた様子で言ってくる。アリーシャもそれに続いた


「そうね。それじゃあ馬車に乗って帰りましょうか」


アリーシャはそう言うと馬車に乗り込んでいきハンナもそれに続いていった。


「おう、さっさと帰ろうぜ」


イオルも、二人に続いて馬車に乗り込んだあと浮かせて引っ張っていた弓兵を乗せ終わると馬車は帰路についた。









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