第41話 事象:ITにおける真の仲間という言葉について
「やったわね! アレン!」
「やりましたねアレンさん!! かっこよかったですよっ」
「流石ワタシの弟子でース! 褒めてやりまース!!」
みんなが土埃や泥で汚れていたりするが、無事だったようで倒れている俺のもとへ駆けつけてくれた。
あ、屈んだ時にクラウのパンツ見えた! 今日も黒と白のストライプだね!
「黒と白のストライプか――! 最高だぜ!!」
「なっ!?」
慌ててスカートの裾を押さえてパンツを隠すクラウ。
赤面してる姿が最高に可愛いが、今の俺は満ち足りているんだ……あれやこれやしなくてもMPが溜まっていくのを感じる。
「ほらアレンさんご褒美ですよー」
目を閉じていた俺の耳にマリーさんの声が届いた。
同時に、後頭部と顔にとても柔らかな膨らみが。
「もふぁっ!?」
説明しよう――今俺はマリーさんに膝枕されつつその爆乳を顔に押し付けられているのだ!! たぶん!!
「なななな、何してんのよマリー!」
「ワオ、やっぱり変態痴女でース!」
「モガモガ!!」
「あっ♡ アレンさんそんなに動いたら私感じちゃいます!」
いや、違う!
嬉しいのは嬉しいんだが、実はそうじゃない!
乳圧で息ができねぇ! 死ぬぅぅ!
あ、意識が――
「あれ? 動かなくなっちゃいましたね?」
「ちょっと、アレン!? アレン!?」
「こりゃ窒息してまース。流石痴女の爆乳でース! いいものみれまシタ」
そこで俺の意識は途切れた。
乳圧で失神(正確には呼吸困難で窒息)するなんて中々できない体験d――
―――――
「はっ!? ここはどこだ!? 俺は一体どうなったんだ!?」
意識が浮上した瞬間、俺はガバリ、と身を起こした。
ヴォタロスを倒した後クラウのパンツが見えてハッスルしたのは覚えているんだが……あの後どうなったんだった?
周りを見渡すとそこは冒険者ギルドの宿屋だった。
どうやら皆が救助隊を呼んで、俺の事をここに運んでくれたようだ。
その証拠に……。
「……ふみゅ……Zzz」
天使のような寝顔を見せて、俺のベッドの横に居るのは、まぎれもなく――
「エリスちゃんじゃん!? は!? ここはクラウさんだろ常考! いや嬉しいけど! 嬉しいけどさ!!」
「うぅ――うるさい……Zzz」
「あ、すみません」
って、何謝ってんだよ俺ぇ……。
つーかエリスちゃんも寝続けるのね。
いいぜ。だったら……。
「悪戯してもいいってこと……だよな?」
俺は隣で眠る狐耳の少女の柔肌に触れる。
「ふみゅ……Zzz」
小さく声を上げるが、どうやら起きてはいないようだ。
首筋のあたりを撫でた後、頭を撫でた。
「ハァ、ハァ! いかん……涎が、じゅるり」( ゚ ρ ゚ )
「なにを――しているのかしら?」(^_^メ)
片腕で涎をぬぐった俺は、部屋の隅に佇むお猫様に気付いた。
いつからそこにいたんだ。
いや、違う。そうじゃないな。うん。
あー、これ……俺死んだ?
「((((;゚Д゚))))――――――!?!?」ガクガクブルブル
「なに真っ白になりながらガクガク震えてんのよ……まぁいいわ。その娘、アレンがヴォタロスと戦う前に空間転移で逃げたんでしょ? あのアリアとかいう女と」
見透かされてんな……というか。
「ハハハ、そ、そ、それよりなんで昨日の夜、クラウ達はあそこに居たんだ?」
「うっ……! そ、そんなのどうでもいいでしょ! 今は私が質問してるの!」
「そ、そうか。あー……ばれちまったからには……話すしかない……いや、話すのが筋ってもんだよなぁ」
俺は洗いざらい話すことにした。
エリスがほかの冒険者と報酬をめぐって争っていたこと。パーティーに勧誘したこと。アリアがエリスの同居人で、俺を殺そうとしたこと。アリアのような奴がついているのなら、エリスを守る必要もないかなと思ったこと。
だが、アリアもアリアで【光の神に導かれし勇者】のクセに色々なものを抱えていそうだから、それも含めてエリスを助けてやりたいと思ったこと。
それと、クラウが可愛いと思ったこと。いつでもクンカクンカしたいし、嫁にしたいとおもっていること。
「ちょ、ちょっと待ちなさい! それ関係ないでしょう!?」
「いや、俺にとっては重大な事項だ……まさしく、俺のせいしに関わること――なんちゃって」
「死ぬ?」
「はいごめんなさい短剣を頬にピタピタさせないでくださいお願いしますもうしません」
ため息を吐きながら、クラウはベッドの凭れながら寝ているエリスの隣に椅子を持ってきて座った。
「……で? この娘とその光の勇者とやらを助けたいわけ?」
「あ、ああ」
「ホントあんたってバカよ……お人よしを通り越してアホよ」
「そんなに罵らないでくれ。興奮しちまうだろ?」
瞬間、俺のどてっぱらにボディブローが来た。
「ごぶふっ!?」
「軽口叩くからよ。……アレン、昨日の夜の森でこの女たちに何されたわかってるの? ヴォタロスを目の前にして、アレンだけ置き去りにしたのよ? 殺そうとしたのと同じことなのよ? それを知ってもなお、アレンはこの娘たちを助けたいの?」
それは……いや、確かにクラウの言うとおりではある。
だが、本来エリスちゃんやアリアはこんなことはしたくないと思っているはずなんだ。
なぜかはわからないが、俺の勘……変態の勘というやつだ。
だから、俺はクラウに頼まなければならない。
「ああ。俺は間違いなく、エリスちゃんたちを助けてやりたいと思ってる。きっとヴォタロスを目の前にしたとき、アリアが転移の魔法?とやらを使ったんだろ? 今のアリアの精神状態は紛れもなく怪しい。何かがあったとしか思えない」
「だから、助けたいのね?」
「ああ」
静寂が訪れた。
クラウは静かに目を閉じて、何かを思案しているようだった。
俺はというと、エリスちゃんを撫で続けながら、クラウが椅子に座ったことにより生じた足の間から覗く可愛らしいフリルのパンティーを見ていた。
ここが感触と視覚の天国か。精神的には地獄に近いものを感じるけれど。
「……私も――なさい」
「ん?」
あまりにも唐突に、静かにつぶやいたものだから、クラウの言葉を聞き取れなかった。
「だから、私も一緒に行くって言ってるのよ」
は?
あ、うん。
えーと……今の流れだと俺振られて「じゃあアンタの好きにすればいいじゃない! 私帰る!」って言わんとしてたんじゃないのか!?
「理由を、聞いてもいいか?」
「アレンが底抜けに馬鹿でアホで変態なのは知ってるわよ? でも、やろうとしていることは間違ってはいないわ。アホだけれど。だから、私が、私の好きであなたの手伝いをしてあげるって言ってるの。アレンはアホだけれど。感謝しなさいよ!」
「うんなんか俺すっげぇ馬鹿にされてるような褒められてるようなわからんけどありがとう!! いぇええええええい!!」
「ちょっ、抱き着かないでよっ、あひっ」
そこで、部屋の扉が開け放たれた。
「話は聞きましたよアレンさん! なんという愚か者というか馬鹿さ加減に私惚れ直しました! 私も手伝いますよっ。主に夜の性処理係として!」
「ワタシは元からアレンの師匠でース。監督してやりまース!」
「みんな……! そうだよな! 俺たちは『『
俺が感極まって泣いていると、エリスちゃんが眠そうに目をこすりながら起きだしてきた。
「ん……? あ、アレン……なに、これ……んんっ……体が、熱いよ……」
ずっと撫で続けていたからだろうか。エリスちゃんの息が荒くなっている。
「これは――エロい!!」
「このバカ!!」
クラウに思いっきり頭を殴られた時、俺の目の前をアレが通り、音声が流れた。
そして、思わず俺は口を馬鹿みたいに開けちまった。
――『神威』スリープ状態より復帰します――
――エネルギー、エリス・100%、クラウディア・70%――
――条件解放:『
――条件解放:エリス・クォレフィーネ・ルシファルと自らを対象とした『
なんだ、そりゃ。
天まで届け、俺の生き様【事象:ITにおけるケモ耳美少女達と変態の冒険者生活について】 蒼凍 柊一 @Aoiumi
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