第3話 チンピラ、チンピラの頂点に!



 昨晩飲み過ぎたせいで、今日は起きるのが遅くなってしまった。


 もう日は高く昇りきり、これから沈もうとしていた。


 朝昼と何も食べてないものだから、取り敢えず屋台で串焼きを二本買って、食べながらいつもの酒場へ向かった。



「「「「「「姐さん、お勤めご苦労様ですッ!」」」」」」



「な、なんやねんこれ……」



 店に入ると、いつもは閑散としている酒場に10人、いや20人程の男たちが座っていた。


 そして私の事に気がつくと、全員が立ち上がり私に向かって頭を下げたのだ。


 突然の事に、私は串焼きを落としそうになった。



「おい、ダラム。これどないなってるねん」


「ここにいる皆さん。姐さんの子分になりたいそうです」



 ダラムが言うには、私がジョゼを子分にした事を知ったチンピラやゴロツキ共が、私の子分になる為にわざわざこの酒場までやってきたそうだ。



「マジか……」



 取り敢えず、いつものテーブルに座り、どうしたものかと考えていると、従業員おばちゃんが困った様子でやってきた。



「カオルちゃん。あの人たち大丈夫なの?」



 流石の従業員おばちゃんもこれだけの粗暴者共が集まれば心配になるだろう。



「心配せんでも大丈夫。この店には迷惑掛けへんから」



 私がそういうと、少しホッとした様子で従業員おばちゃんはカウンターの奥に戻って行った。


 そして、従業員おばちゃんと入れ替わるように、粗暴者共ヤツらが私の前まで次々とやってきた。



「姐さん「俺を子分にして下さい」」


「もう一度俺と勝負を……「いや俺とッ」」


「もっと強く……「姐さんに惚れま……」」


「姐さんッ「姐さんッ「姐さんッ!「姐さんッ!!」」」」



 …………。



「わかった!」



 我先にと皆同時に話しかけてくるから、誰が何を言おうとしてるのか全くわからない。


 取り敢えず黙れという意味も込めて私が一言述べると、一瞬で全員が黙った。



「まず、この店に迷惑を掛けへん事」


「それから……、ウチのいう事を聞く事」



 粗暴者共は私の言葉を一言一句確かめるかのように頷きながら静かに話を聞いている。



「それが出来るんやったら、子分にしたるし、暇な時は勝負でも手合いでもしたる。ただ、手合い料は貰うでッ!」



 そして、私の了承が出たとわかった瞬間、全員が大声を上げて喜んでいた。



「「「「やったー!」」」」


「それからッ!」



 再び私が声を上げると、全員静かになった。



「何かあった時は、ここに座ってるダラム、ヤヌック、ジョゼに話を通してな」



 私の言葉に、ダラムたちは目が点になっている。



「そんじゃー! 全員好きなだけ飲めぇーッ! 今日はウチの奢りじゃ!」


「「「うおぉー」」」



 私の掛け声に全員が雄叫びを上げた。



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【薫組構成員】


幹部

ダラム

ヤヌーク

ジョゼ


組員 20名他



祝!薫組設立!


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