第17話 女騎士がやって来る

「うむ、私がメリジュヌ共和国女性騎士団ダンジョン監査部隊主任、女騎士のアレインだ!! 今日は、この南フス州は南狗族の村に、新設されたダンジョンの査定にやって来たぞ!!」


「アレインさま、なんでそんな説明口調なんですか?」


「女騎士とはいつだって、明朗快活にわかりやすく話すことを求められるからな!! それよりも従者トットよ!!」


「はい」


「このダンジョンにはドラゴンは棲んでいないんだろうな!! 正直、こわ――いや、私レベルの女騎士となれば、ドラゴンの一匹や二匹、ものの数ではないのだけれど、一応、確認をしておこうと思ってな」


「事前にダンジョン管理士から受けた説明ではいないそうですよ、よかったですね」


「そ、そうか……いや、せっかく首都から出てきたのに、張り合いがないなァ。残念だ、HAHAHAHAHA」


「さらに捕捉しますと、全五層から成るダンジョンだそうです。地下水をくみ上げているそうで、第一層は普通に野生動物たちの水のみ場になっているとのこと。ほぼほぼ危険はないそうです。南狗族はここを狩場にしているそうですよ」


「なるほど水飲み場。ほほう、確かにシカやイノシシの姿が見受けられるな。あっ、あのウリボウ、ちまっこくて可愛い……」


「アレイン様。不用意に近づかないでください。さっさと次の階層に行きますよ」


◇ ◇ ◇ ◇


「ふむ。第二階層ともなると、流石に瘴気が漂ってくるな。ここはもしかすると、凶悪なモンスターがいるかもしれない……トット!!」


「いません。主に居るのはビッグラビットとイヌモグラになります」


「なんだあいつらか。戦い方さえ覚えてしまえば、狩るのが楽なモンスターだな。つまらん」


「そのつまんないモンスターに、何度となく追いかけまわされてたのはどこの女騎士さまでしたっけ」


「おほん。まぁ、第二層ではこの程度か。せっかくだし、二・三体倒して、女性騎士団寮へのお土産にしようか」


「首都までどれだけかかると思ってるんですか、腐っちゃいますよ。というか、お土産がモンスター肉って……」


「肉というのは腐りかけが美味しいというではないか」


「限度ってものがあります。はい、次、行きましょう」


◇ ◇ ◇ ◇


「ふむ、なんだか、第三層は割と落ち着いた感じの場所だな? 土も柔らかいし、どこかこう、懐かしい匂いを感じるぞ」


「ここは第二層のビッグラビットたちの餌場ですからね。あっ、アレイン様、そこ、気を付けてください」


「へ?」


「キシャァアアアアアアッ!!」


「うっ、うわぁっ!! ミミズ、ミミズお化けが!! 足の下から!!」


「大ミミズですね。見た目はグロテスクですし攻撃的な感じですけれど、思っている以上に弱いですから安心してください」


「くっ、このまま私はこの巨大ミミズに、あれやこれやとえらいかんじ、もといエロイ感じのことになってしまうのか。そんな醜態を晒すくらいなら……くっ!!」


「えい!!」


「ギミァアアアアアアア!!」


「……って、あれ、トット。普通に倒しちゃって」


「だから、見た目ほど強くないって言ったじゃないですか。踏まれて飛び出てくるけれど、そのまま地面に潜れなくなって、干からびて死ぬようなモンスターですよ?」


「そうなの? モンスター詳しくないから、わかんない」


「ダンジョン監査部隊の入隊講習で習いますよ。なんで知らないんですか……」


◇ ◇ ◇ ◇


「はい、というわけで第四層ですね。ここは普通に水源地になってます」


「地下水脈が流れているのか」


「水質事態もよさそうですね。第五層は、この水が溜まって地底湖になっているそうですが。これなら、ケルピーなんかが生息していてもおかしくないですね」


「ケルピーって、あの湖の中に引っ張り込んで、人間食べる奴? やだ、怖い……」


「怖いって。アレイン様、しっかりしてください。ダンジョン監査に僕たちはやってきているんですよ」


「けどそんな大物モンスターがでるとか聞いてないし」


「あっ、アレイン様、後ろ?」


「へっ?」


「……スラぁ?」


「うわぁっ!! ス、スライムだ!! やだっ、ネチョる、ネチョられる!!」


「フルプレートメイル着ておいて、どこにネチョられる要素があるんですか。それより、普通のブルースライムですね。ヒカリゴケと適度な湿気から発生したんでしょうか。純度もよさそうですし、これはいい加工素材になりそうですね」


「スライムにネチョられ、濡れ透けで無様な姿を晒すくらいなら――くっ、こ」


「はい、じゃぁ、最後、第五階層へ行ってみましょうか」


「言わせてくれトット!! なんかもう随分と久しぶりの登場なんだから!!」


「ゲストキャラが目立つとろくなことありませんよ。とっととお仕事終わらせて、帰りましょう」


◇ ◇ ◇ ◇


「ここが……」


「地底湖ですか。結構な広さがありますね。深さも、これは相当なものですよ」


「これ、ダンジョン管理士の資格的には大丈夫なのか? 二級って確か、ダンジョン構築規模に制限があったはずじゃ?」


「階層さえ順守されていれば問題ないです。この地底湖の下に、さらに階層があるなら問題になってくるんですけれど……」


「あれ、ちょっと、トット? なんで服を脱いでるの」


「泳いで中を見てきます。隠し階層とかあると厄介なことになるので」


「ダメよ!! ダメダメ!! ケルピーいるかもしれないんでしょ!! そんな危険な湖に潜ったりしたらいけないわ!! 命は大切によ!!」


「大丈夫ですよ、どれだけ僕がダンジョンに潜ってると思っているんですか……それじゃ、行ってきますね」


「トットォオオオオ!!」


◇ ◇ ◇ ◇


「……ぷはぁっ!!」


「おわぁっ!! トット、無事だったのね、よかった!! 心配していたのよ!!」


「それはどうも。それより、申請通り、この湖がある第五層で最後みたいですね。特に隠し階層なんかは見当たりませんでした」


「そんなことより自分の体の心配を……って、なにそれ? なに持ってるの?」


「あ、これですか?


「白くて、なんだか人の形をしているけれど……」


「途中、クラーケンマンと喧嘩になりまして。ぶちのめしたはいいんですけど、そのまま放っておくのもどうかなと思って連れてきました」


「いっ、いやぁあああああっ!!」


「クラーケンマンが棲んでる湖は貴重ですからね。ここは保護地区として厳重に管理するべきでしょう。管理会社さんや狗族の方たちににいい報告ができると思います」


「その貴重なクラーケンマン倒しちゃってるじゃないの!!」


「まぁ、襲ってくるのは仕方ないですよ。こっちも命かけて潜ってる訳ですから」


「くっ、殺せ……!!」


「いや、もう死んでますって」


◇ ◇ ◇ ◇


「と、言うわけでだ。以上が、今回、マルタダンジョン管理会社より受けた、ダンジョン監査依頼の結果報告である」


「申請書の通りのダンジョンでびっくりしましたよ。よく管理されてるんですね」


「あはは、そりゃどうも」


 ダンジョンの再構築に一日。

 繁殖モンスターの配置に一週間。

 レアモンスターであるクラーケンマンマンの勧誘・説得に二日。

 それを見越して、ダンジョン監査部隊に依頼をかけて待つこと三日。


 なんとか、期日にぎりぎり間に合う形で、僕たちはダンジョンを作り上げることに成功した。それは結局、ブランシュの力のおかげと言ってよかった。


「あり得ないわ、ダンジョンをスキルの一つで自在に構築するのもそうだけど、気難しいモンスターを説得するまでもなく、すんなりとスキル一つで隷属させるなんて。いや、それが効かないモンスターもいるにはいたけれど、それはアルノーくんが説得しちゃうし……」


 女騎士さんからの報告を受けながら、終始隣では、ぶつくさとソラウさんが、おぉ神よとばかりにぶつくさと呟いていた。


 できると僕たちに勧めて来たのは彼女のはずだ。

 なのに、なんでそんなに驚くのだろう。

 まぁ、実際僕も、ここまでトントン拍子に話が進んで拍子抜けだけど。


『――神に代わって女神がお答えしまぁす!! チートスキルとはそういうものなのです!! 余人を持ってして得難いからこそのチート!! これくらいの勢いがないと面白くないわよね!!』


「あ、こんな時にもちゃちゃ入れてくるんですね、アネモネさん」


『ちょっとちょっと良人ぉ。女神さまがせっかくチート能力授けてあげたってのに、要らないちゃちゃ入れるなよみたいな塩対応はなんなの。女神傷ついちゃうなぁ』


「はいはい、ありがとうございます。ありがとうございます」


『うわぁいその歳で社交辞令使いこなすとか、担当女神として良人くんの将来を心配しちゃうぞぉ!?』


「大丈夫ですよ。使う相手はアネモネさんしかいないですから」


 少しも声の調子は心配している様子は感じられない。

 この女神のからかい癖にも困ったものである。


「何を言っているのだ」


 と、女騎士さんとその従士の訝しむ顔がこちらを向いていた。


 女神さまと対話していたなんて言っても信じてもらえない。

 なんでもないんですと笑って誤魔化して、僕は彼女たちの方を向く。


 そうそう、大切な大切なダンジョン監査の報告の途中なのである。

 アネモネさんのおちゃっぴぃに付き合っている場合ではないんだ。


『だーれのおかげで、ここまでの結果に漕ぎつけられたと思っているの。まったく、貴方の女神さまアネモネさまをないがしろにするなんて、いい根性じゃない』


 誰のおかげだって。

 そんなのは決まっている。


 今、このダンジョン監査の報告という場面にあって、まったく興味もなさそうに、リンゴをがじがじと齧っている黄金色の髪の女の子――姉弟きょうだいのおかげだ。


 僕のダンジョン構築の知識と、モンスターアナライズのチートスキルだけでは、ここまで上手くことは運ばなかっただろう。

 異世界転生したと言っても、特殊な能力を持っていないただの学生だし、冒険者としての技能もない。おまけに平成生まれの貧弱軟弱ボーイである。

 掘削作業なんて、とてもじゃないけどできやしないよ。


 そこに、ブランシュという、もう一人のチートスキルを持った、優秀なダンジョン構築者ビルダーが力を貸してくれた。

 だらこそ、ここまで話はうまく運んだように思う。


 僕たちはそう――やっぱり最高の姉弟きょうだいなんじゃないかな。

 相棒パートナーでもなく恋人ステディでもないのは残念だけれど、今はこれでいいのかもしれない。


「なぁ、姉弟きょうだいいつになったらこれ終わるんだぁ」


「もうちょっと、もうちょっとだから!! 静かにしてて、姉弟きょうだい!!」


「ド、ドラゴンの唸り声!?」


「いったいどこから!? まさかこの森、ドラゴンが棲んでいるのか……すぐに追加調査をしなくては!!」


「あぁ、違います違います!! さっきのは、うちの社長の欠伸でして!! ちょっと彼女、人より欠伸が大きいんですよ!!」


 僕とソラウさん以外には、本来の通り、ドラゴンの咆哮に聞こえるブランシュの声。迂闊にしゃべらないようにと、釘を刺しておいたけれど無駄だったみたいだ。


 つまらなさそうに齧り切ったリンゴの芯をポイと林に投げ捨てる。

 と、そんな彼女に――ギシギシと木の枝をこすり合わせたような足音を立てて、赤い髪の少女が近づいてきた。


ねえさん!! 新しいリンゴです!!」


「おーう、ありがとよ」


「こ、今度はアラクネの叫び声が!?」


「この森、いったいどうなっているんだ――ダンジョンより、よっぽどこの森の方が危険なんじゃないのか!!」


「あー、違います違います!! うちの妹はその――アラクネが大好きでして!! 声マネをよくするんですよ!!」


 足元まで届く赤いもじゃもじゃとした髪。

 目元を隠した少女を見て、ほうん、と、女騎士さんたちがまた怪訝な顔をした。


 ブランシュも彼女も本当に……。

 静かにしておいてくれと、念を押たのにどうしておとなしくできないんだろう。

 今日を乗り切れるかで、今後の僕たちの人生が決まるというのに。


 と、そんな僕の視線に気が付いたのか、アラクネがこちらを見る。

 木で出来た義足をつけて歩けるようになったはいいが、幾分小さくなった彼女。

 しかし、その凄みは健在だ。


 その虹色に輝く複眼をこちらに向けると、彼女は、あぁん、と、身の毛が総立つような力の籠ったメンチを切ってきた。

 うわぁい、見事に嫌われたもんだ。


 と、そんな彼女の頭にブランシュの拳骨が落ちる。


「ふみゃぁっ!!」


「おらっ、何を兄貴に向かってメンチ切ってんだ。礼儀がなってねーぞ、アン」


 ゴールデンドラゴンのチートスキルの一つ、「魔王の勅令」により、なんとか一命をしたアラクネ。

 そんな彼女を、僕たちは、新しい姉弟として迎えることにした。


 自分が命を狙った相手。

 そして自分の四肢を捥いだ相手だ。


 そんなものに服従するのものかと思ったが――ここでブランシュの最後のチートスキル【王道の竜】が発動した。

 彼女の持つ王威を前に、あっさりとアラクネはブランシュに忠誠を誓い、以来、こんな感じに立派に舎弟を務めている。


「おら、アルノーに謝って来い」


「うぅっ……」


 しかし、あくまで忠誠を誓ったのはブランシュに対してだ。

 僕ではない。


 王にその背中を小突かれて、僕の方へとやられたアラクネは、とてとてと、こっちに向かってくると、胸より下の高さから僕の顔を見上げてきた。

 その瞳は、複眼である。だから、憤怒に満ちているのか、はたまた、申し訳なさに満ちているのか察することはできない。


 けれど……。


「殺す。いつか絶対に殺す」


 言葉は分かるから彼女の強烈な殺意は伝わってきた。


 ボディランゲージ。

 アラクネとゴールデンドラゴンという異種族間では当然、会話が成立するはずはない。なので、フィーリングで会話しているブランシュには、きっちりとアラクネが僕に詫びを入れているように見えたらしい。


 うんうんと頷いているその姿に、さっき思った最高の姉弟きょうだいという言葉にさっそく疑念がよぎった。


人間ヒューマン。姐さんがいないタイミングで、事故を装って殺してやるからな」


「……極力一緒にならないように善処するよ」


 わぁい、なんて物騒な義理の妹だろう。

 と言っても、もうアラクネとしての権能を彼女は既にほぼほぼ失っている。どうこうしようと思ったところで、どうにかできるものではないのを僕はよく知っていた。


 大丈夫、ちょっと威勢がいいだけだよ。

 長姉のブランシュと同じで。


 ほんとどうして僕の周りは、こう血の気の多い女の子ばかり集まるんだろうね。


『けどよく考えてみてください、異世界ハーレムがちゃくちゃくと出来上がりつつあるんですよ?』


「アネモネさん。またそんなこと言って楽しんでるでしょう」


『アナーキーな姉御肌兄貴系ドラゴン娘!! 怒ると超怖そうな敏腕巨乳経理のダークエルフお姉さん!! 髪の毛ぼさぼさのツンコロ系妹!! なんということでしょう、このモンスター姉妹の居る日常は!!』


「どんな日常ですか!! 非日常の間違いでしょ!!」


『うらやまけしからんですよぉ!! そして特殊な層にバカウケ間違いなし!!』


「間違いしかないです!!」


 僕が女神と会話して意識を飛ばしているうちに、すきあり、と、ばかりにとびかかろうとするアラクネ。

 わっほいと、後ろに飛んで逃げると、彼女の歯がガチリと音を立てた。


 この娘、姐の目があるってのに、殺そうとしてきたよ。


 怖いよ。

 油断ならないよ。

 勘弁してよ。


 とほほ、どうしてこうなった。


「ドラゴンとアラクネの叫び声に、意味の分からない独り言を呟く依頼主……やだ、怖い。トット、私、この森に居るのが怖いわ」


「何か呪いがかけられているのかも。気を引き締めてくださいアレイン様」


「気を引き締めてどうにかなる問題じゃないでしょ。嫌よ、嫌よ、ドラゴンとアラクネ、二体同時に相手するなんて無理……くっ、殺せ!!」


「あぁもう違いますってば、すみません、本当に申し訳ございません!!」


 混乱するダンジョン監査部隊の皆さん。


 ほら、姉弟きょうだいのところに戻っていろとアラクネを追い返す。

 また何か言いたげにこちらを見ている姉弟きょうだいに、おねがいだから静かにしてねとアイコンタクトで合図を送る。

 そして僕は、現実逃避して蹲っている立会人のソラウさんを起こした。


 無視する腹いせか頭の中で80年代の懐かしソングを歌い始めた女神さまを、徹底的に無視しながら、僕は仕切り直しとばかりの咳ばらいをする。


 監査部隊の皆さんも、それでなんとか落ち着きを取り戻してくれたみたいだ。


「それで……査定の結果はどうなんでしょうか?」


「うむ、そうだな!! なんだか長々となってしまったが……このアレイン、と、その従者をここまで苦しめるダンジョンとなるとなかなかない!!」


「低階層の安定した素材供給地としての環境から、地底湖に至るまでの生態系バランスがしっかりと取れているのが素晴らしいです。特に地底湖が素晴らしい。レアモンスターの保護区としての価値も併せて、評価させていただきました」


 では、アレインさま、と、従士さんが女騎士に言葉をかける。

 彼女が仰々しく、腰に差していた筒の中から公式な判定書を取り出す。そこに彼女は、従者が手際よく用意した羽根ペンで、さらりと一筆したためた。


 判定――。


「A+と認定する!!」


「ダンジョン管理維持費として国からの補助金支給のほか、近隣集落への租税は国・地方を含めて一切免除されます。おめでとうございます。上から二番目の評価です。これは低階層ダンジョンでは極めて珍しい事例ですよ」


「うむ!! 若輩ながらあっぱれな仕事なり!! この女騎士アレインが、自信を持って言おうではないか、このダンジョンはまさしく――くっ、殺せ!! であると」


「あは、あはははは。ありがとうございます」


 僕がやりこんだダンジョン構築ゲーム『女騎士のくせに生意気な』で、散々に女騎士がやられ際に叫んでいた台詞だ。

 それをまさか、こんな所で、しかもこんな形で聞くことになるとは、思ってもみなかったなぁ。


「以上、ダンジョン監査部隊からの報告である。追って、正式な通達は、国税庁税務課ダンジョン管理係から出るであろう。その日を心待ちにするがいい」


 はっはっは、と、この世界のやけに威勢のいい女騎士は、腰に手を当てて笑った。


「おっ!? 終わったか!?」


「うひゃぁっ、やっぱりドラゴン居るぅっ!?」


「あー、もうちょっと、もうちょっと静かにしてて。お願いだから、姉弟きょうだい


 立ち上がって金色のポニーテールを揺らす少女に、僕は困り顔で言った。

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