3-11:E

ヨーイチとの戦いから数日後、マモリは特に変わらず元気だし、ライチは先生をずっと続けている。リッカとミライの二人は、いつ誰に狙われるのかわからないからだ。もちろん、”漂白者ブリーチャー”カキネも、学校にいる。


放課後、ミライはリッカと二人で公園にいた。

「この前はありがとうね」

「あー、うん。でも、約束ってなんというか、怖いというか…」

「ヨーイチみたいになっちゃうかもしれないってこと?」


「う、うん。僕なんて魔法の力も弱いし、それに、いつもみんなに頼りっぱなしだし……」

「でも、それでいいんじゃないかな?ほら、ミライ君は、みんなで約束を守ってくれてるみたいなものだし、うーん、上手く言えないんだけど……」


しばしの沈黙の末、リッカが言葉を続ける。

「私がミライ君に助けてって言ったのは、ミライ君なら絶対に助けてくれるって信じてたからなんだよ?」

「え、信じてた……?」


「うん。ミライ君は覚えてないかもしれないけど、私は絶対に忘れない思い出があるんだ」

「な、なにそれ。教えてよ」

「えー、どうしよっかなあ……恥ずかしいから秘密!ふふふ」

リッカの笑顔は、心からのものだった。信じれることが、これほどまでに安心できるとは、リッカ自身もまだ完全には意識していないかもしれない。


ミライの約束は、ずっと守り通さなければならない重い約束だ。

だが、それを最後まで守り通したい。いや、守り通せる。少なくとも今は、そう思った。

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コレスマギア/カラミティ デバスズメ @debasuzume

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