1-13:ミライ3

マモリとミライは一旦病院の外へと色探しに出かけた。

「魔力を取り出すためには、まずは色探し。なんだけど、青はちょっとね……」

さっきの異性はどこへやら、マモリは困っていた。

「ちょっとって?」


「いやー、アタシは赤と黄しか使えないからさ。青の色をどこから取ったが良いもんかっていうのがよくわからなくってね」

「空とか海とかはだめなの?」


「うーんっとね、そういうのは難しいのよね。大きすぎるとうまく取り込めないっていうの?」

「それじゃあ青い絵の具とかは?」

「それも難しいかなあ……。えーっと、アタシが食べ物から色を取ったときって、食べ物の味とかも一緒になくなっちゃったでしょ?あれって、ようは色が持つ力を吸い取ってるんだけど、つまり、絵の具とか自体には力が少なくて、絵とか文字がかかれて、ようやく力が宿るってわけ」


色を吸い取ったものは力を失う。力とは性質であり、意味である。つまり、性質や意味が弱いものほど、得られる魔力は少ない。かといって、力が強すぎるものは吸いきれない。と、ここまで考えてミライはひらめいた。

「液体洗剤とかどうだろう」

「お、いいかもしれないんじゃない?」


……コンビニで洗剤を買ってきてコップに開ける。毒々しさすら感じる青だ。

「よし、それじゃあ、洗剤に手をかざして、呪文を唱えて」

「呪文って?」

「難しく考えないで、こう、魔力を吸い取ったるぞー!って感じのイメージを考えて、それを言葉にすればいいだけ」

「吸い取るイメージ……」


ミライは一度深呼吸をして呪文を唱える。

「”青い色、『集まれ』!”」

洗剤の色が消え、ミライの手に集まり、1枚のカードになった。

「お、いい感じじゃん!やったね」

残された液体は洗剤であることの意味を失い。ただの水となった。


「よし、それじゃあライチさんのところに戻ろっか」

「うん。行こう」

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