3.快楽、嫌悪、深紅


私は自分を殺せなかった。その時ばかりの嘘を囁ける人から逃げられなかった。貫かれる度弓なりにしなる体は喜びに震え、 薄い言葉と震える体に心は強い嫌悪を抱いて引き裂かれそうだった。逃げるためにはこうするしかなかった。深紅に塗れた手は、もうずっと前から汚れていたのだろう。

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