第4話 神さまのお迎え

 ご神体を決めて、神様の居場所も決まったら、ご神体の中に神さまをお迎えしましょう。


 え、神様をお迎えするなんて、簡単にできるの。そう思いましたか?


 はい、できますよ。


 しつこいですが、呪文もマントラもお経も祝詞も必要ありません。必要なのはあなたが自分の言葉で語りかけることです。


 なぜ呪文もマントラもお経も祝詞も必要ないのだろう。そう思いましたか?


 では逆に考えてみましょう。なぜ呪文やマントラやお経や祝詞や、魔法円や魔法陣は必要とされるのでしょう。


 これらの多くは、神の言葉と関係しています。つまり、神が使う言葉を使って神に願いをかけることで、より大きな力を引き出そうとしている訳です。ラテン語とか、ヘブライ語とか、サンスクリット語とかが有名ですね。でも、これって適切なのでしょうか。


 たとえ全知全能の絶対神でなくとも、神さまは人間の話す言葉くらい知っています。どんな宗教の神さまであっても、それは間違いないはずです。


 なぜなら神さまに反する者は、人間の言葉で神を貶め、人間の言葉で神を否定します。しかし神はその言葉の内容を理解し、口にした者たちに神罰を下すのです。


 そんな神さまが、呪文や祝詞やマントラやお経や魔法円や魔法陣を欲するとはとても思えません。人間の言葉で素直な忌憚のない意見を聞きたいと思っている事でしょう。だから、神さまをお迎えするにあたっての問いかけは簡単です。


「神さま、どうぞこれからよろしくお願いいたします」


 内容的にはこれだけでいいのです。ご神体に向かって、声に出すのが恥ずかしいなら心の中で、どうしても呪文っぽいのが欲しいのならケルト語とかヘブライ語でもいいですから、とにかくルールに縛られず、自分の心の中を素直に出して神さまに挨拶しましょう。


 あなたがご神体の中に神さまを認識し、その神さまに対して行動を開始したなら、その瞬間からそこには神さまがいます。神さまが発生するのです。


 しかし発生しただけでは、神さまはまだ神さまではありません。神さまを神さまたらしめるのは、あなたなのです。あなたが責任を持って、神さまを神さまたらしめるべく、お世話をしなくてはなりません。


 言い換えると神さまは、自然界に独立して存在しているものではありません。神さまという名の生き物がいる訳ではないのです。神さまは、あなたとこの世界の関係の中から生まれてきます。


 あなたがこの世界に望むことによって、神さまは誕生します。そしてあなたが望み続けることによって、神さまは神さまとして存在し続けるのです。神さまが神さまたりえるのは、あなたという「それを望む者」がいるからだということを忘れないでくださいね。


 次回は、そんな神さまのお世話について書いてみたいと思います。

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