化学工業

「化学工業がテストに出るよ。何と言っても化学が役立っている証拠だから。

 方法、触媒、何を作るか、全部覚えてればこれは解ける。」


①NaOHの製造(イオン交換膜法)

 食塩水(NaCl)を電気分解。

 +ではNaOH

 -ではCl₂が発生する。

 陽イオン交換膜を通るのはナトリウムイオンである。

*+ではO₂よりも陰性度の強いハロゲンが発生。だからCl₂。


・さらに-極では

2H₂O+2e⁻→H₂↑+2OH⁻

*このOH⁻がNa⁺と合わさってNaOHが発生。


・陽イオン交換膜を間にはさめば、Cl₂もNaOHも両方回収できる。

(HClとNaOHは分けておかないと反応してしまうので。

Cl₂+H₂O→HCl+HClO)




②Na₂CO₃(炭酸ナトリウム)の製造

*ガラスの製造に使う。

*石鹸の材料でもある。

*塩基性。NaHCO₃も塩基性。


「アンモニアソーダ法」もしくは「ソルベー法」と呼ぶ。


「材料」アンモニア 水 塩 CO₂(CaCO₃を焼く)


ⅰ)塩・アンモニア・CO₂でNaHCO₃を作る。

NaCl+NH₃+CO₂+H₂O→NaHCO₃↓+NH₄Cl


ⅱ)NaHCO₃を焼いてCO₂回収。

2NaHCO₃→Na₂CO₃+H₂O+CO₂↑


*NH₄Cl→これはそのままでも肥料になる。

でもまたNH₃にして使うとすると、このように回収。

(回収方法)Ca(OH)₂+2NH₄Cl→CaCl₂+2H₂O+2NH₃

乾燥剤のCaCl₂もできる。


*まとめると

CaCO₃+2NaCl→Na₂CO₃+CaCl₂

(石灰石+塩→材料・炭酸ナトリウム+乾燥剤・塩化カルシウム)



③硫酸の製造

「接触法」

触媒:酸化バナジウム(Ⅴ) V₂O₅


S→SO₂→SO₃→H₂SO₄


・S→石油精製の際に取り出せる。

・濃硫酸にSO₃を溶かして「発煙硫酸」を得る。

水に硫酸を直接入れると発熱して危険だから。


・SO₂:二酸化硫黄

・SO₃:三酸化硫黄


④アンモニアの合成

「ハーバー・ボッシュ法」

N₂とH₂を高圧にしてNH₃にする。

N₂+3H₂→2NH₃


・触媒:Fe₃O₄(四酸化三鉄)(要は黒錆び)


・硫安 (NH₄)₂SO₄を作るのが目的。(肥料)

硝酸(火薬の原料)にももちろん使える。


*NH₃は発熱反応だから低温高圧がよいが、

反応速度を大きくするには高温高圧がよいので、

比較的高温かつ高圧下で行われる。


*ハーバーボッシュ法は、第一次世界大戦で疲弊したヨーロッパに肥料を供給した人助け法である。(もともとは戦争のために火薬を製造するために作られはしたけれど。)



⑤硝酸製造

火薬とかいろいろ使える。

「オストワルト法」

NH₃を酸化して硝酸にする。


NH₃→(酸化)→NO→(酸化)→NO₂

触媒:白金 

*NO₂を水に入れるとHNO₃とNOができる。

余ったNOは返して再び酸化させればよい。


*白金の表面に水素が吸着され、水素原子間の結合が緩むため。




*触媒は三種類出てくる。

接触法の酸化バナジウム(Ⅴ) V₂O₅

ハーバーボッシュ法のFe₃O₄(四酸化三鉄)

オストワルト法の白金


この区別がテストに出るので覚えなければならない。

よって、「勝算は金(硝酸白金)」とおぼえて、

ハーバーボッシュ法の高温高圧が黒錆びを使うと覚えれば、

自動的に残る酸化バナジウムが接触法となる。



⑥肥料の三要素 NPK

そのうちPはCa₃(PO₄)₂ 骨 固くて水にも溶けない。 

でも硫酸をかけると溶ける Ca(H₂PO₄)

(*リン酸2水素カルシウム(弱い酸)これは水に溶ける。)


N→アミノ酸

P→ヌクレオチド

K→浸透圧

にそれぞれ必要である。



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