高い文章力と設定の濃さ

初めまして!
弥陀山戦のところまで読ませていただきました。
まず最初に、文章を書ける人だなと言う印象を受けました。
細かい心情や設定、情景描写。作者自身の思い描いているものを形にできる実力があります。
その為、読み始めた時はやや表現がくどいかなと思ったのですが、結果的に全部読まされてしまいました。その点については脱帽です。
展開についても、変に奇を衒ってなくてとっつきやすく、安心して読めます。いい意味で予想通りなストーリーです。

個人的に気になった点は、これをSFとして読んだ場合の黒野から見た世界の捉え方です。端的に言うと、黒野は2020年の視点で2046年を生きている。その為折角作り込んだ2046年感を特徴付けるインカネイターなどの描写と、黒野の思い出す漫画が尽く古かったり、ブラック企業に対する黒野の独白が衝突しているように感じました。
26年後、日本がどうなっているのか、その時代のニートが何を思うのか。そこまで突き詰められたらさらに読み応えのあるものになるんじゃないかと思います。
大変面白い作品でした!
ありがとうございます!

その他のおすすめレビュー

ヨシダコウさんの他のおすすめレビュー3