第8話 К Странный Россий и Капитализм. (ロシアと資本主義。)

「アンタにはまで生き残ってほしいからね。」


 マリーナは俺に、アメリカ政府の実態を世界に暴く必要性からか、俺を生かしたいのだろう。

 だから、俺はその話を聞いて少し疑問を抱いた。


「俺を生かしたい理由とは何だ。」


「私が、アンタを生かしたいのはアメリカのみならず西側諸国の欺瞞ぎまんを世界に知らしめる為なの。実は、ペンシルベニア州出身は嘘で、本当はフランス・パリ出身なの。」


 パリ出身。という事は彼女も訳あってフランスから帝国に逃げたのではないか。

 そうでなければ俺を救いだす理由が見当たらないからだ。


「貴様は、その名前からフランス出身である事を俺は知っていた。だから俺にその事情を話せ。」


 俺はマリーナあいつに俺を生かしたい理由と西側諸国の疑問を感じた理由を知りたかった。

 だから、あいつが亡命した事情について知りたかった。


「勿論、その話をしても良いよ。今のアンタは恐らくロシアに逃げなければ命の保証はないから。だがその前に、私がロシアに亡命した話を聞いてほしいの?」


「あぁ、分かった。」


 マリーナあいつはどうして、フランスからロシアに亡命したのか疑問だったが、何かしらあると俺は思った。


「私がロシアに亡命しようと思ったのは、9・11テロ事件の半年前、パリで起きたあの事件が原因なの。」


「あの事件とは、まさかパリ自作自演テロ事件か。」


 パリのあの事件について俺は思い出した。

 俺は9・11の少し前に起きたパリ自作自演テロ事件の情報は、IWCを介して既に知っていた。

 何故なら、IWCにいた頃にその資料を探っていたらパリテロはIWC等の米国の諜報機関、そして英国のMA7。更にはフランスの諜報機関が合作で制作した自作自演テロだと分かっていたからだ。

 あれを怪しいとは思わない方がおかしいだろう。

 ましてや第二次性徴期前後の女性ばかり襲撃したあの事件には何かあると俺は疑っているから尚更。

 だからアイツの話を素直に聞くことにした。


「そう。私はパンテオン=アッサス パリ大学Ⅱの学生だったの。」


 俺はマリーナあいつの話を聞いて彼女やつが本当にフランスの大学生だったと改めて実感した。

 確かに年齢は俺より遥かに若い…。


「ところが、パンテオン大学で起きたとある事件が原因で私は能力者になった。」


 間違いない。恐らく、パリテロとパンテオン大学の事件は何か関連がある。

 そして、能力者になった理由は追い込まれての契約だから俺と事情が似ている。


「貴様が学生なら、誰が契約書を出した。」


 マリーナが学生なら誰が契約書を出したのか知りたかった。でなければ俺に意味不明な契約書で能力者になる事はないからだ。


「その男の名は、モスクワ大学の客員教授である鷹川典紀たかかわのりきと言う男だよ。」


「鷹川と言う苗字、確か日米同盟を破棄した鷹川正雄たかかわまさおの息子か?」


 俺は鷹川という苗字を聞いて正雄の息子だと判断した。。

 俺がIWCに所属していた時代にあいつの父親は、日米同盟を破棄した事で有名な首相だっただから…。

 

 狙われたんだ。


「そう、やつは日米同盟を壊した事で帝京地検特捜部ていきょうちけんとくそうぶから狙われ、現在はロシアの周辺に住んでいるの。」


 帝京地検特捜部。

 それは田村泰正たむらたいせい総理大臣や鈴村偉生すずむらひでお等、アメリカに敵視する国と関係を改善するとでっち上げの事件で反米政治家を逮捕させる組織だ。

 だから、俺は彼女に…。


「帝京地検特捜部。つまり、日本のアメリカ化を進行させる組織だな。」


「そう、彼らは日本にを導入させる為に生まれた組織なのだから。」


「そして、帝京地検特捜部みたいな連中が他の国にもある事はご存知?」


 マリーナあいつが帝京地検特捜部みたいな組織は他の国にあると話した故に俺は他の国にもあると判断した。

 親米国ならそのような組織が何処にでもある事を…。


「そう言えば、アメリカのIWC、英国のMA7、ドイツのBNDはアメリカの意向を排除する連中を排除していた気がした。」


 俺は、IWCみたいな親米機関が外国にあると思った為、それらの諜報機関を探り当てた。

 勿論、怒りを含めて…。


「確かに、これらの機関は、アメリカの意に反する連中を排除する機関だよ。その証拠にアメリカに不都合な人物はを口実に逮捕されるか、で殺されるの。」


 自殺に見せかけた殺人。

 俺がIWCに所属していた時に、IWCが良くやっていたやり方だ。

 勿論、政治の世界では日常茶飯事だから…。


「自殺を見せかけた他殺か…。確実に政治の世界なら十分在り得るな。」


「確か、フランスでも私の父であるが殺されて、今の大統領のは無事だったの。」


 俺は生存を聞いてある事に確信した。彼は親米的な政治家で、フランスので自作自演テロを引き起こした政治家で逮捕されたは彼と非常に繋がりがある事を知っていた。


「マリーナ。ようやく、この世界の構造が少しずつ明らかになって来たな。」


「そうね。私も大学生だったのがパリで起きたであり、私の友達を含めて多くの女子学生がによって殺された事件よ。」


 どうやら、あいつが嫌な事件は、あのパリ自作自演テロとは無関係の様だ。

 

「しかし、パリテロ事件を私が知ったのは私の仲間が偽難民により性犯罪で殺される3日前の事で、それもインターネットで知った事だ。更に詳細な県は典紀さんから聞いて分かった事も多い。」


「つまり、性犯罪事件とは無関係だと。」


「そう。性犯罪事件で私の多くの友達が偽難民により犠牲になった。私はその時のフランス政府の姿勢に疑問をもって、典紀さんに誘われて能力者になり、ロシアに亡命したよ。」


「成程、つまりフランス政府は2つの事件を隠ぺいしている事になるのか。」


 俺は、あいつの話を聞いて西がどれだけ腐敗しているかを確認できた。

 西側は民をどう扱っているんだよ…。と俺は思った。

 だが、2つのテロ事件との関連性はなくとも自作自演テロは両事件でやっていると推測できる…。

 何故なら戦争をやりたい連中がいるから偽の情報を使ってでも…。やりたい奴はいる。


 だはマリーナあいつも、フランス政府が作り上げた2に疑問を持っている事から、俺は何としてもキューバを介してロシアに亡命せねばならないと感じた。

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