第13話 第六感

仕事終わりに食事をしようって約束した時も

仕事の後に用事するのか聞いたらどうすっかなーで終わって

かなえは1人お店で何も頼まず、連絡もなく1時間くらい待たされて

結局いったん離席して思った通りの場所に向かうとエンくんは居て

さすがにかなえも行くのは構わないから連絡してって言ったけれど

ごめんてって言葉でそれ以上言うと謝ってんだろって言われる始末。

この頃から変化があったとしたらエンくんも余裕が無かったのかな。

気づいてあげられればよかった。


この日、初めての喧嘩をしたけれど恋人ってことをお店の人に公言していいって許可をもらえた。


だけど、限られた人限定の、お店のオーナーとエンくんの仲の良い友達には

近々自分から言いに行くって言って。結局言ってはくれませんでした。



一日置いて仲直りして



エンくんとの

初めての一日デートの前日に初めて家にあがった。

ここまで二か月かかった。やっと彼女扱いされてると思えるようになってきた。

以前からペアリングを買いに行こうって話してて、エンくんはこだわりが強いから気に入ったものがあったら買う。って言って

かなえもそれには了承した。


エンくんと一日一緒。小ばかにされながらも楽しくて、ずっと続くといいと思って

ずっと続くと思っていた。


エンくんの好きなブランドのお店で道草したり、

一緒に洋服を選ぶって楽しいことなんだと感じた。楽しそうに、でもすごいこだわって試着していたエンくんを今でも覚えているよ。

あの時買った服を着たエンくんを見ることは出来ないけれど・・・

結局リングは決まらなく、店員さんのアドバイスを聞いてネットで探そうってことになった。

なぜか漠然と、絶対今日決めないとこれから先会えない気がして

ワガママを言って家に来てもらう。バレンタインを渡す口実に

エンくんは疲れから帰りたがっていた。日曜日だしタクシーもなかなか捕まらないからと

だったら泊まっていけばいい。もしくはそちらに泊めてほしい

その申し出に応じてくれることはなく

うんざりさせていた事を今でも覚えている。


だけど第六感は働くもので絶対に決めたかった。会えない気がしたから繋がりがほしかった。

エンくんはまた会った時に決めようって帰りたがっていたけれど

うんざりしながら結局はすぐ捕まったタクシーに乗って帰ってしまったけれど

残された第六感は拭えなかった。

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