追記9 お薦めカクヨム2

■余談23

 識字率について真面目に考えようと思っていたのだが。

 またしても、私のツボにクリティカルヒット……というより、「ごめんなさい」と謝って土下座したいくらい古傷をグリグリとえぐってくる恐ろしい作品に出会ってしまったので、紹介する。


■余談23-1

軽見 歩 様 『答えの出ない創作論』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884231546


 ファンタジーに登場する武器の、一般的イメージと、実物との乖離かいりについて悩んでいらっしゃる作者様。その武器の本当の戦闘法を知っている作者様としてはリアリティを追求したいが、そうすると読者には伝わりづらくなるわけで。

 ――たとえば、レイピア。


 ごめんなさい! うちにも、レイピア持ってる女性キャラがいる!

 実際のレイピア重いらしいよ……レイピア片手で持てるなら、他の武器も問題なく持てるらしいよ……全然〝非力な女性向きの武器〟じゃないらしいよ……。

 ファンタジーなので、軽量化の魔法がかかっているなどの設定をしてしまえば、どんな武器でも持たせることが可能ではあるのだが。


■余談23-2

七次元事変 様 『悪例で見るラノベ用物理学』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881150013


 ライトノベルの中で描かれている現象が間違っている例を、力学や電磁気学の観点で、懇切丁寧に解説してくださる。

 ――たとえば、敵に当たっても戻ってくるブーメラン。


 ごめんなさいごめんなさい! 初めて完結させた異世界ファンタジーで、ブーメラン戻ってきたよ! (「追記7」余談21-2)

 作者様が仰るように、〝戻ってくる魔法がかかっている〟などの設定があれば問題ないのだが、当時の私は戻ってくることに疑問を感じていなかったので、勿論もちろんそんな設定はない。

 一応、一年くらい前にブーメランキャラを検討していた際(まだ本作品に出会っていない)、「……よく考えたら、戻ってこないんじゃ?」と気がつき、youtubeでブーメランの投げ方動画などを見まくった。何と言うか、「疑問にも思わない」というのは怖い。

 そして今時は、疑問にさえ思えば、ネット上でいろいろ参考資料が見つかるものだなぁ、と思う。


■余談23-3

@Loon 様

『炎上を防ぐ貨幣価値設定! ~異世界ファンタジーにおける経済描写~』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881231676


 異世界ファンタジーでは、どのように経済をデザインすべきか。現役経理マンである作者様が、解説してくださるこの作品。

 たとえば、宿屋の一泊の代金は? 日本円に換算して考えてよいものか?


 ……私、中2のときに書いた小説で、通貨単位を決めたことがあるぞ(「追記4」余談15)。

 単位の名称は忘れたが、仮にAとBとすると、1A = 1円で、100A = 1B。要するに、日本円に直接換算できる単位だったわけだ。何かの値段を書く際には、日本円での価値をそのまま流用しようと思っていたのだが……。

 いざ小説を書き始めると、そもそも自分が「」を全く知らないことに気がついた。

 所詮しょせん、中2である。自分でお金を払って宿泊したことなどないので、主人公が宿屋で払う金額がいくらなのか見当もつかない! 市場で売られている野菜も、いくらくらいが妥当かわからん!

 というわけで、せっかく設定した通貨単位、実際はほとんど出番がなかった……。

 これに懲り、以降の小説では通貨単位を設定していないし、具体的な物の値段も書いていない。


 ちょっと趣旨は異なるが、この作品もお薦めする。


■余談23-4

六畳のえる 様

『魔王は呪文を唱えた! モンスターの落とすゴールドが下がった! 経済は混乱した!』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882100592


 内容はタイトルの通り。

 ファンタジー世界内での経済をいかに設定するべきか、という参考にするつもりで読んだら、予想とは違って。

 舞台は異世界だけれども、インフレやデフレ、そもそも貨幣とは何か、交換レートなど、我々が住んでいる現実世界における経済に関して、笑いながら勉強できる作品である。

 「書きたい内容(=経済)」があり、その効果が最大限に発揮されるよう、単純化された舞台としてドラクエ的異世界を採用した、と感じた。



 ちなみに、「追記9」のサブタイトルが当初「懺悔ざんげの部屋」であったのは、全くどうでもいい情報である。

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