生徒会は青春している(ハズである)

@ryokumioo

第1話

「お兄様…!!お兄様…!!」

「ん…」

「お兄様、早く、起きて下さい!!」

「ああ…何だ、雪無ゆきなか…おはよう…」

今日も我が妹ながら、完璧な美少女だ…

「もうっ!何だでは、ありません!!今日は、生徒会の仕事が始まる日なのですよ!?」

「ああ…そうだったね、というか、本当に今日だったっけ?」

「何を言うんですか、お兄様!!お兄様は、生徒会長なのですよ!?」

「!?…そうだった…生徒会長は、しっかりしないとね…!!」

「まったくです。そもそも、お兄様のような人が生徒会長というだけで、非常に稀有な例なのですから…」

「アハハ…雪無は、手厳しいなぁ… もうちょっと、お兄ちゃんを好いてくれてもいいんじゃないかい?」

「本来なら、前任の山田下やまだした先輩が、続けてくれればいいのですが…彼も、もう三年生ですしね…」

「アハハ、それは、仕方ないよ。代わりにこのボクが生徒会長になってあげるからね!!」

「不安です…」

「おっと、もうこんな時間か。早く、学校に行かないと。」

「私、先に準備してきますから、お兄様は、間に合わなければ、後から追いかけて下さい。」

「薄情だなぁ…」

やあ、自己紹介が遅れたね、読者諸君。

ボクの名前は、松戸まつど 炉世ロゼ

気軽にロゼと呼んでくれ☆

ボクは、流星学園高校第59代生徒会長(新生徒会長)であり、

学内でも、トップの美少年だ。

どれくらい美少年なのかというと―…純日本人だが、長めの金髪、水色の瞳、縁無しメガネの良く似合う、身長182㎝の美少年だ。

ここまで、言ったら、わかるだろう!!…と、思うのだが、残念ながら、信じてくれない、むしろ、余計怪しむ人が非常に多い。

あろうことか、仮に信じてくれても、「お前って、本当に、残念な美少年だよな」と、あたかも、ボクが残念なようなことを言われる。


ちなみに、さっき話にあがった山田下先輩とは、ボクの前の代の生徒会長で、ボクのあこがれである。

運動も勉強もとにかく、何でも出来る先輩で、その上、それを、ひけらかさない。

ボクと同じメガネキャラだが、ボクなんか足下にも及ばない人気で(決して、ボクが人気ないワケじゃないヨ!?)

まさか、この、パ〜フェクトな美少年のボクが人に憧れを抱くとは、思わなかった。

で、その先輩は、三年生で、引退しなくてはならないので、二年生のボクが、公平な選挙の結果、引き継いだというワケ!

生徒会長になったら~カワイイ女の子とも出会えるのかな~ ムッフッフ♡

何を隠そう、ボクは女の子が大好きだ!!

世界中のカワイイ女の子とお知り合いになりたい!!あわよくば、お付き合いがしたい!!

女の子に膝枕をしてもらいながら、別の女の子を腕枕して、さらに、また別の女の子を抱き枕にしたい!!

それが、ボクの理想だ!!・・・ちょっと、言いすぎたかな。

まあ、ともかく、ボクは美少女が大好きなので、よく「変態」と、言われることが多々ある。

心外だなぁ・・・ボクは、ただ女の子と仲良くなりたいパーペキ美少年なのに・・・

コレのどこが「ヘンタイ」だっていうんだい?

まあ、ボクのたぐいまれな美しさは、ある意味、異常かもしれないので、それで 「ヘンタイ」と、呼ばれてしまうのは、いたしかたがないことなのかもしれないね。

ちなみに、仮に、ボクが「ヘンタイ」だとしても、「変態の皮をかぶった紳士」なので、よく在る「紳士の皮をかぶった変態」とは、ワケがちがうのである。

こういうのを、「変態紳士」と、言うのだろう?

(ちなみに、読者の皆さまの中には、この主人公「ロゼ」が、おそらく、後者の方のヘンタイであろうとお思いの方も多いでしょうが、それは、多分、当たっております。作者より。)

おっと、そろそろ、学校に行かなくちゃ‼︎

可愛い娘がいるといいなぁ♡

そうして学校に着いて、まず、最初に向かったのは、生徒会室。

まずは、これから1年使う部屋にご挨拶。

すると、前方から、可愛らしい女の子がやってきて、

「あ…あの、会長よね…?」

珍しい銀髪のウェーブの髪をツインテールにした美少女が話しかけてきた。

「そうだけど…君は、黒瀬くろせ 美奈みなちゃんだよね…?」

「えっ…おぼえててくれたんだ…」

「もちろん!この学園の(可愛い)子の名前は、全部、覚えているからね‼︎」

「そ…そうなんだ…さすが、会長ね…」

可愛いの所が聞こえていないといいんだけど…

「それで、ボクに何の用かな?」

「あ、あの‼︎あ、あたしも、生徒会に入るから、お近づきの印にこれ‼︎」

「…クッキー?」

「今朝、焼いてきたの。生徒会に入る人みんなにくばってるのよ」

「そうなんだ…ありがとう、美奈ちゃん‼︎こんな可愛い娘から、クッキーもらえるなんて、ボクは幸せだよ‼︎」

「ハ、ハァ⁉︎か、可愛いなんて…バッカじゃないの⁉︎」

この娘は、ツンデレなのかな?そんなところも可愛いなぁ♡

「美奈ちゃんは、何の役職なの?」

「ふ…副会長…」

「そうなんだ…じゃあ、これから、よろしくね、お姫様♡」

「ま、まぁ、これから、よろしくねっ‼︎それだけっ‼︎」

そう言って、ゴスロリ風にアレンジした制服のスカートの裾を翻して去っていく。

遠目から、見てはいたけど、やっぱり、可愛いなぁ♡


そうして放課後、生徒会室を訪れると、「わっ‼︎」長髪の男の子とぶつかってしまった。「ご、ごめんね!ぶつかっちゃって…」

「いえ、こちらこそ、すみません…」

そう言ってきたのは、男の子にしては、珍しい長い黒髪に銀縁眼鏡を掛けた男の子。

着物みたいに袖の広がった特注(と思われる)制服を口元に当てている。

は、ニコニコと笑っていて、ちょ〜っと怪しい。

「キミも、生徒会の子?ボクは、会長なんだけど…」

「おお、これは、これは、会長さん。僕は、新書記兼会計の、銀月ぎんづき 陰明かげあきと、申します。以後、お見知りおきを。」

「ん…?銀…月…陰…明…?」

その名前には、聞き覚えがあった。たしかー…

「もしかして、カゲくん⁉︎」

「え?」

「ほら、ボクだよ‼︎松戸 ロゼ‼︎小さいころ、一緒に遊んだー…」

「あ、あぁ‼︎松戸くん⁉︎」

カゲくんは、小さいころ、学校は違うけど、一緒に遊んだ男の子で、いつも着物を着ていて本を読んでいる、おとなしい子だった。

途中で、京都に引っ越して以来、会ってなかったけど。

「髪、伸びたね〜‼︎それに、背も高くなった?」

「そりゃ、背は、伸びますよ〜‼︎髪は、面倒くさいから、伸ばしてるだけですけどー…」

「それに、明るくなった‼︎イイことだと、思うよ‼︎」

「そ、そうですかぁ?ありがとうございます…」

「じゃあ、せっかくだから、一緒に生徒会室、入ろっか!」

「はい!」

生徒会室に入ると、すぐに雪無が入ってきた。

「あら、お兄様、先に入っていたんですのね。てっきり、また私が呼びに行くものとばかり・・・」

「雪無!!そんな、ボクだって毎回そんなことはしないさ、まったく、兄をなめないでほしいよ・・・」

「あら?本当のことですのに?」

「妹さんですかぁ?」

「あ、カゲくん、まだ紹介してなかったよね、こっちは、ボクの妹の雪無。こっちは、ボクの友達のカゲくん、7年ぶりにこの街に戻ってきたんだ。二人とも、仲良くしてね。」

「こんにちわ~ 銀月 陰明です♪よろしくして下さいねぇ♪」

「あ・・・えーと、陰明、さま?」

「はい、何でしょう?」

「素敵すぎますわ!!カゲさま、とお呼びしても?」

「まぁ・・・僕は構わないですけど・・・」

「じゃあ、カゲさま、よろしくお願いします!!」

「アハハ、雪無はカゲくんのことが気に入っちゃったみたいだね。」

「遅れてごめんなさい!!会長、いるー?」

「あ、美奈ちゃん!!今、自己紹介してたんだけど・・・美奈ちゃんも、してくれる?」

「しょうがないわね・・・あたしの名前は、黒瀬 美奈。副会長よ よろしくね。」

「僕の名前は、銀月 陰明と言います。書記兼会計。よろしくお願いしますねぇ♪」

「私は・・・松戸 雪無と、申します。書記補佐で会長の妹です。よろしくお願いしますわ。」

「では、改めて・・・ボクの名前は、松戸 ロゼ。会長さ。この学園をより良くしていくつもりだから、みんな、ついてきてね」

「じゃあ・・・自己紹介も済んだことだし、お茶にでもしようか?こう見えて、紅茶をいれるのには自信があるんだ」

それからボクたちは、生徒会室でのお茶を楽しんだ。

それから、今後の予定決めをしたりして、その日は解散した。

その後、カゲくんと一緒に下校したボクが家に着くとー・・・

「おかえりなさ~い♡生徒会初日はどうだった?」

ドアを開けると水色の巻き髪をした美人な女の人が迎えてくれた。

この人が、ボクの母さん、氷無ひなさんだ。

元女優で今は優しいけれど、若い頃は相当気が強かったらしい。

「ねぇ、ロゼが会長になったの嬉しいから、お母さん、お赤飯作っちゃった♡今日の夕飯は、豪華よ~」

「いや、母さんが作るとお赤飯がムラサキになるから、作らないでほしい・・・」

うちの母さんは、致命的に料理が下手で、作るものはみんな、ムラサキ色になったりする。

何か、特殊なエキスを入れたんじゃないかってくらいに、ムラサキになってたりする。

こないだなんか、ベーグルサンドを作るっていって、ムラサキ色の球体が出来上がっていた。

なので、ウチは、極力、母さんを厨房に立たせないようにしている。

なので、ウチで料理を作るのは、決まって、料理の得意なボクと父さんだ。

でも、そんな母さんでも、お菓子作りだけはちゃんと出来て、作るお菓子は、皆、おいしい。

なので、ボクも母さんの作るお菓子は好きだったりする(ちなみに、ボクは甘党なのだ)

そんなこんなで、母さんの作ったお赤飯を無理矢理たいらげた後、ボクは自室に戻って美奈ちゃんからもらったクッキーを眺めていた。

思わず一口食べてみると、とても、おいしい。

美奈ちゃんはあの後、『お菓子を作るのは初めてだった』と言っていたのに、どうして・・・

でも、おいしいのは変わりないので、あっという間にたいらげてしまった。

あんな可愛い子もいることだし、これからも、生徒会、がんばるぞー!!

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