第4話 世界に愛された娘


とうさまとかあさまに連れられて

ギルドの受付を受けた。

冒険者登録をして、冒険者カードを受け取る。


でも本当のことを言えば


それらもひっそりとささやかに独りでやりたかったのだ。

かあさまが独りで旅立った様に。


とうさま的には

「俺たちの愛するめあねすの大事な門出なんだから、みんなを巻き込んで盛大に祝わなきゃ。」の一声で、まぁ集まる集まる。


かあさまの実家からはおじいさまとおばあさまとこめっこおばさまが。

かあさまの故郷である紅魔の里からは、族長のゆんゆんおばさまをはじめ一族の皆さん。

アクセルに居る、不死の王リッチーであるウィズおばさまと大悪魔のバニルおじさま。

なんだかよく分からないんだけど、とうさまの妹である王家第一王女のアイリスおばさまと従者クレアさんとレインさんがお忍びで。

とうさまたちと同時期に冒険者仲間だった皆さん。

そして当然、ダクネスかあさま。

皆さんが見守る中で

冒険者カードを貰った。



****************



最初

受付のおばさまが

悲鳴の様な驚きの声をあげた。


「えぇぇっ!!!! 何ですか!? これ‼」



その声に驚いて、とうさまがカードを受付のおばさまから奪う。


「なんだこりゃ?」


何かに驚いてとうさままでカードを凝視して固まる。


それを不思議そうに見ていたかあさまとダクネスかあさまが、横からカードを見て明らかに固まってる。


その場に居る皆さんが

とうさまたちを囲み、めいめいに私のカードを覗き見て、納得したように固まりだす。


その中で

バニルおじさまだけが、さも楽しげに笑いながらこう言った。


「ワハハハハハ‼ 実に愉快‼痛快‼ 我輩、こんなに愉快な人類は初めて見たぞ!! もはや人間ではないのではないか? まさに規格外である‼ 実に愉快‼」


とうさまの手にある私のカードを奪い返し見てみると…


すべてのステータス値に

[∞]の記号が記されていた。




「「「えぇぇぇぇーっ!!」」」


皆さんが一斉に突っ込んだのは

言うまでもない。








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