生きることを選ぶ、私の詩のような物語。

私は屋上のフェンスにもたれかかっている。
『死にたい』というのでなく、ただここからいなくなりたかった。

孤独といかに付き合うか苦しんでいた。

私は賭けをする。死ぬか、生きるかの賭け。

川沿いに吹く風は、あの日の気まぐれな風に似ていて、
キラキラ輝く水面は目覚めたとき見た窓辺の光に似ていて、

私は生き残ってしまったのでなく、生きることを選んだ。

静謐な読後感を残す、美しい詩のような一編だ。