閑話

 丁度その頃、アスカと西牙が悪霊と対峙した公園は変わらぬ賑やかさを残していた。


 昨日悪霊が見えぬ人たちにとってはいつもの光景だが、見える人がいれば異変に気づけただろう。


 アスカが昨日座っていたあたりのベンチに静かにゆっくりとそのものは近づいていた。


 獲物を狙うように品定めをし、移動する気配がないと察すると一気に駆ける。

 次の瞬間、そこにいた人は喰われた。霊体が見えない人からすれば突如座ってるのに大きく痙攣を起こしたように見える。


 咀嚼し終わりゆっくりと顔を上げると同時にこの人は地面に倒れ込んだ。異変に気づいた人が駆けつけるが次の獲物が飛び込んできたとばかりに再び喰らいつく。


 普段なら悪霊がむさぼり続けていたためにらみをきかせていたが、昨日アスカ達が倒したことにより、これ幸いにと普段より多くの人を喰らっていく。


 そして、また一人二人と喰らっていくうちにもっと喰らいたいと本能が暴走し、手当たり次第に人を喰らい始める。




 この日、20名近くの人が異形に襲われ、帰らぬ人となった。ニュースではとして。


そしてそれに気づいた者もいた。その者は思い当たる人物へ電話をかけていた。

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