制覇!

渋谷かな

第1話 西之島1

1400年位の日本の物語。


流罪(るざい)とは刑罰の一つで、罪人を辺境や島に送る追放刑である。流刑(るけい)、配流(はいる)とも言う。特に流刑地が島の場合には島流し(しまながし)とも呼ばれる事もある。


本土で罪を犯した者は「遠島を申し渡す!」罪人は島流しになり、流刑地に送られる。時には無実でも罪を着せられて・・・。


歴史的には、本土での投獄より、遠いところに取り残された方が自分一人の力だけで生きていかなければならなくなり、苦痛がより重い刑罰とされていた。


昔の流刑地は大島、三宅島、八丈島、辺りだったらしい。

ただ現在、そこで住んでいる人のことも配慮して、


西之島は、小笠原諸島の島。西之島を、物語の始まりの舞台に考えよう。



まえがき。


ある男が罪を着せられて島流しになった。奥さんと子供を残して。着いたのが流刑地、西之島。そこは人生の終わり・・・ではなく、楽園だった。


西之島の文化は、本土よりも、文化レベルは上だった。外国の船とも外交・貿易がされていた。南蛮渡来の珍しい品物が地球儀や地図、鉄砲などが本州よりも早くに西之島には広がっていた。世界の人々が、品物が、技術が島には溢れていた。


西洋文化なのか、電気、水道、ガス、が整った環境があった。

金山と鉱山もあり、金も石炭も採れ、油田もあり、石油も採れた。資源を輸出することにより、西之島の島民は豊かな生活をおくっていた。


まさにバブルだ。島には、コロシアムや劇場、カジノなど、娯楽もあった。

いろいろな人間が一攫千金を夢見て西之島を訪れる。人々は西之島のことを、神の島と呼んだ。



男は島の娘と再婚し男の子を授かった。嵐で雷の鳴り響いている時に生まれたので、名前を雷と書いて、ライと名付けた。子供の頃から、父親に剣の稽古を受けさされ、15才になったライはコロシアムで戦っている。


コロシアムでは強さが全てだった。勝てば大金が手に入り、負ければ死ぬ。簡単なルールだった。日本の罪人が、世界各地から、腕に自信のある者達が、お金や名声、最強の称号を得たいというプライドから西之島のコロシアムにやってきた。


ライは15才にして、剣の達人に育った。コロシアムにいる最強と呼ばれる者の一人だった。剣の神若しくは雷神と呼ばれるタケミカヅチと呼ばれる位に。



西之島の島長の名前はナギ。妻の名前はナミ。息子が一人おり、カーという。

ナギは西之島を豊かに発展させたが、いつか本土に戻りたいと思っていた。


自分が生まれた大地をもう一度、自分の足で踏んでみたいと思っている。また自分を島流しにした本土の人間を恨んでいる。コロシアムも娯楽や金儲けのためではなく、強者を集めるためといっても過言は無い。


つづく。

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