第45話 妖精の起

起。


俺の名前は、光リエ(ヒカル・リエ)。女の名前だが、れっきとした男である。


「女の子が欲しかった!? 男の子が生まれたら、男の子の名前をつけやがれ! 小さい頃から、「リエちゃん? え!? 女の子と思った!」とか、好きな女の子に告白をしては、「私、女の子の名前の人とは付き合えません!」とか、そんなことばかりだ!? 俺の人生で楽しいことなんて、やって来ないんだ!」


と、思いつめ、学校の屋上から飛び降り自殺を図ったのだが、不幸な俺は死ぬことすら許されなかった。そんな俺の前に、レンタル福の神という、偉そうなでキチガイな女が現れ、不幸を幸福に変えるという。俺は、福の神に憑りつかれてしまった。福の神のおかげで、俺にも久野文香という彼女もできた。そして、俺の不幸との戦いが始まった。「貴様の不幸、私が頂こう。」あ~ん、パク、モグモグ、ゴックーン「おいしい!」「ほんとに食うな!」俺の生死の不幸はおいしいらしい!?


富士山が大爆発を起こすという、大不幸から人々を守ることができた。俺と福の神だけでの作品としての形もでき、後は舞台を変えても永遠に続けられる所まできてしまった。ということで、新キャラクターを登場させ、作品の世界を拡げる所まで来た。新キャラ以外は、過去作から再登場という形になる。第1号が地味な佐藤さん。第2号がスケバン・気づかい・猫の3人組。


不幸を呼び寄せる俺は、ついに不幸な神まで呼び寄せた。闇エリ子に憑りついていた貧乏神が俺に乗り移ったが、俺の不幸は貧乏神の貧乏という不幸すら吸収しようとする恐ろしさだった。やっぱり不幸な俺に耐えれるのは、福の神しかいないのだった。


先に先に進めようとすると、進むが頓挫するので、ここで闇エリ子こと、闇エリと貧乏神サイドを書いてみよう。これがアニメとは違う、小説の良い所だ。なんと闇エリは、親の貧乏神を誕生日プレゼントのお人形さんのエリザベスとして、なすりつけられたのだった!? お人形さんの正体が、私の幸福を食べる貧乏神と知ってしまい、貧乏神のエリザベスに憑りつかれた私との、ステキな共同生活が始まり、高校にも合格することができたのだ。闇エリは、女子更衣室で俺に裸を見られたことを怒っていた!?


なんにせよ、これで光と闇が揃うことになったのだった。しかし2人は出会いは最悪だし、仲は悪そうである。なのにクラスでは2人は付き合っていて、彼氏彼女だという噂で盛り上がっていた。光と闇・・・売れ筋に持っていけるストーリーが考えられるのだが、それでは今、書籍化やアニメ化されている作品と変わらないような? 教えて編集さん!


光と闇のカップル誕生!? 2人の間を取り持つのは、福の神と貧乏神!? なんちゅう展開になってしまったんだ・・・。ラブコメにはなるね! 光と闇が揃ってしまったことにより、純粋に不幸を福の神が食べ、幸福を貧乏神が食べるというのが小ネタになってしまった。新展開に向け、新キャラを大量生産していく!?


俺は、光の福の神使いに、エリちゃんは、闇の貧乏神使いに、それぞれモデルチェンジした。不幸と幸福のバカップルのため、個性が死んじゃったからだ。そして、第3の神も実装されようとしていた!? 候補に挙がったのは、七福神、冥王神、太陽神、月神、風神雷神・・・。果たして、誰が実験台になるのか!? 


どうやって、福の神と貧乏神が戦うのか、見ものである。神を食べる訳にはいかないしな・・・。幸福と貧乏で踏みつぶすか!? どれだけ強い幸福と不幸なんだ!? オリジナルはオリジナルだけど、こんなにオリジナルにする必要があるのだろうか!?


1番の幸福は2人でいること。1番の不幸は、2人でいられないこと。これが光と闇のカップルの出した結論だった。光の魔法とか、闇の魔術とか、普通にはならないみたいだ。なにか、おもしろい神は舞い降りて来ないだろうか!?


紙神が降臨された。トイレットペーパーの神、ティッシュ神、折り神・・・おもしろいようで、おもしろくない!? ということで、マジメに風神雷神から、神チャレンジを始めることにした。風神は風の神ではなく、風邪の神だった。おまけの雷神の、おもしろいボケが浮かばない!? 困った!?


雷神・・・来診・・・医者か、看護婦になってしまった。紙神の犠牲もあり、福ちゃんが、俺から風邪という不幸を取り除いてくれた。さあ、ここから福の神と貧乏神の恐怖の反撃が始まる!?


俺に対する不幸!? 風邪に、雷を福の神が食べ、風神雷神には貧乏神が憑りついて不幸まみれに、まさか自然属性よりも、福と貧乏属性の方が強かったとわ!?

闇エリの彼氏に手を出された復讐の貧乏が開演する!?


ついに拘束された風神雷神。牢屋の中で俺の神ハラに耐えつつ、健気に暮らしていた。新しく登場した神は1度きりの使い捨てになるのか? それとも折り神のように準レギュラーになり、マスコットキャラとして生き残るのか? 風神雷神は、今後に登場する神々に対する指針となる!?


罪を許された、風神と雷神。住まいは上空。あだ名は、風神が風ちゃんとウイルス。雷神が、雷ちゃんとナースに決まった。他に何を決めればいいのだろう? 憑りつき先も俺に決まり、神ハラし放題!? と喜んだら、エリに監視を頼まれた福ちゃんが、俺の不幸を頂かないので、俺は生死の狭間を彷徨うことになった!? 


神々の入浴しているお風呂場を覗こうとしたが、俺は不幸が重たくて身動きがとれない。せいぜい神湯を飲むことぐらいしかできないのだった。神湯とは、神の入浴したお湯のことをいう。ラノベの購買層が、20代の男性だから、これぐらいの内容でいいのだろう・・・。


堕神。堕天使というのは聞いたことがあるが、堕神は初めてである。俺のような不幸を集める体質なのに、神が3人も憑りついて楽しく? 暮らしているので、天界の神々の怒りを買ってしまった!?


天使ミカエル。神とイチャイチャしている俺は、天界の神々を嫉妬させてしまったらしい。なんと罪深い、俺。そんな俺たちの神ハラな生活を邪魔すべく、天使を使わしたというのだ。福ちゃんたちは身の潔白を証明するために、天使にも、俺に憑りつけというのだ。こうして俺と天使との、天ハラな日々が始まった。


俺に不幸が集まるのは、心が邪で欲望の塊だったのが原因と分かった。どれだけ手を伸ばしても、神に触れる俺の手を、天使ミカエルは、ことごとくかわしていく。なんと天使には、邪な俺の心をキレイに浄化するチカラがあるというのだ。もし俺が真面目な人間になってしまったら、この物語は終わってしまう!?


ついに天使ミカエルの裁きが始まった。闇エリのところの、貧乏神のエリザベスは、仲良しなので無罪が確定した。俺に憑りついている福ちゃん、雷ちゃん、風ちゃんは、堕神に認定されてしまった。神々の命令で堕神を抹殺しにやってきた、ミカエルと福ちゃんたちの戦いが始まろうとしていた!?


俺は、福ちゃんとの厳しい修行の甲斐もあり、天ハラを成功させる。邪念で不幸を呼び寄せる俺に触れられたことによって、清らかだった天使は穢れてしまい、堕天使ミカエルとして、ジョブチェンジしてしまった、こうして俺は、天使は天使でも、堕天使に憑りつかれてしまった!?


承。


「おまえら、なぜ、俺の後をついてくる?」


俺の後ろに、福の神、風神雷神、堕天使がついてくる。


「いいのか? 私がいないと、不幸に襲われるぞ。」

「福の神お姉さまの後をついて行っているだけだ。」

「そうだ! おまえが神ハラしたら、いつでも雷を落としてやる!」

「私、もう天使じゃないので、助けないよ。」


俺には、3神と1堕天使が憑いている。なんてステキなパーティーなんだ。


「キャハハハハ!」


そんな、俺たちの前に、4精霊と1小人のパーティーが現れた。


「こんにちわ。」

「こんにちわ。」

「カワイイ精霊さんのパーティーですね?」


俺は、気軽に言ってみた。


「失礼な! ウンちゃんたちは妖精ですよ!」

「ええ!?」


小さな精霊は、なぜか、俺に怒ってきた。


「妖精さん、ごめんね。こいつ、下等生物の人間だから、目が腐ってるんだよ。」

「そうなんですか? それは仕方がないですね!」


精霊と福の神の会話は、なぜか成立している。


「おい! 貴様!」

「は、はい!? なんですか!?」

「精霊さんは、妖精さんに憧れているから、自分のことを妖精と言い張る!」

「なんじゃそりゃ!?」

「いいか、貴様。精霊さんを怒らせると大変なことになるから、精霊さんの機嫌を損ねるな。分かったな。」


妖精に憧れる精霊? 俺はとりあえず納得した。


「ごめんね、精霊さん。・・・あ!?」

「ムキ!」


俺は、悪気はなく、謝って精霊さんと呼んでしまった。精霊のウンちゃんという妖精の目の光る。精霊と言われたことに激怒したのだ。


「水の妖精ウンちゃんが命じる! 水につかれ!」


妖精さんは、水の魔方陣を描き、魔法を唱える。


「ゲホゲホ!?」


俺の周りを水が覆い、俺は水の中で溺れそうになる。


「ああ、だから妖精さんを怒らせるなと言ったのに。本当に不幸が好きだな。」


まだ自己紹介すら終わっていない、4妖精と1小人。俺は挨拶が終わるまで生き残ることができるのだろうか!?


転。


「私は、水の妖精ウンディーネのウンちゃんです。」

「福の神だ。よろしく。」


2人は握手を交わす。


「ところで妖精さん。」

「なんですか?」

「そろそろ、あいつを水から出してくれないか?」

「忘れてました!?」

「ゴホゴホ! ・・・ピー・・・。」

「あ、浮いた!? 手遅れだったか・・・。」


俺は、まだ水牢屋の中で溺れていたのだった。


「あ!? 死ぬかと思った!?」

「貴様が悪いのだぞ。私は注意したからな。」

「そんな!? 言い間違えただけなのに・・・。」

「妖精さんは、高貴なお方なのだ、言い間違えも許されると思うな!」

「そうです! ウンちゃんは妖精さんです!」

「ワッハハハハ!」

「なんで二人は意気投合して笑っているんだ!?」


俺には意味不明だった。


結。


「妖精さん、お互いのパーティーを紹介しようじゃないか。」

「いいですよ。」


小ネタを挟むと進まないので、福ちゃんは話を進めることにした。


「私は、福の神、これは下等生物、妹分の風神雷神と、おまけの堕天使だ。」

「誰が下等生物だ!?」

「精霊は、妖精に憧れて、人間を見下しているから、この方がいいのだ。」

「風ちゃんです。よろしく。」

「雷ちゃんです。よろ~。」

「堕天使ミカエルだ、あ~、やる気ね~。」

「こんな感じだ。」

「適当ですな。」


俺たちの紹介が終わった。


「それでは、妖精さんの紹介をしまうね。」


水の精霊ウンディーネのウンちゃんは仲間の紹介を始める。


「風の妖精シルフィードのシルちゃん。」

「よろしくお願いします。私は、比較的、妖精にしては、まともですよ~。」

「私、風邪の神なんです! 友達になりましょう。」

「風神さん、よろしくです。」


風の神と風の妖精は友達になった。


「火の妖精サラマンダーのサラちゃん。」

「なんでも燃やすのぞ~!」

「知り合いの天使が神の炎を使えたな・・・。だるいけど呼んであげよう。」

「ありがとうだぞ~!」


ミカエルは、携帯電話を取り出し、電話をかけ始めた。


「もし~、ウリエル。堕天使だけど、ちょっと来てくんない? 今、下界。」


電話をかけ終えたミカエル。


「来るって。」

「火の天使に会えるのうれしいぞ~。」


火の精霊は、喜んだ。堕天使の扱いが、どんどん崩れてくるがいいのか?


「地の妖精ノームのノーちゃん。」

「ボーっとしてるのだ。」

「そういえば、うちに大地の関係者はいないな。」

「雷なら、雷の神がいるんだけど。」

「ウンちゃんたちにも、雷の妖精サンダーバードのサンちゃんはいません。」

「なんか、出っ歯そうな名前だな・・・。」


地の精霊は、ずっと動かないのが好きなのだ。


「地底の小人ドワーフのドワちゃん。」

「人間を滅ぼしてやるドワ!」

「ドワちゃんは、再開発で人間に地底のドワーフ王国を滅ぼされてから、人間に復讐することしか考えてません。」


ドワーフは、人間が大嫌いです。


「言い忘れてましたが、ドワちゃんは、ブラックスミス・オブ・ナイトなので、かなり強いです。」

「え?」

「あ! 人間ドワ!? 許さないぞ! 仲間の敵を討たせてもらうぞ!」

「うわぁ!? 追いかけないで!?」


ドワちゃんは、俺を追いかけてくる。例えると一寸法師みたい。


「福ちゃん! 助けて!」

「知らん。人間に生まれた、貴様が悪いのだ。」

「そんな!?」


俺は存在自体が罪だった。


「人間に生まれてゴメンナサイ!」

「待て! 人間ドワ!」

「やれやれ、まったく不幸が好きな奴だ。」


福の神もお手上げである。


つづく。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る