出会い

きっかけ

「金が……ない……喉乾いた……」

放課後の図書室、いるのは俺と司書の先生とおそらく1年生が多少いるぐらい。



カリカリ……ペラ……ペラ……



ノートに文字を書く音、本のページをめくる音、その音だけが図書室の中で耳に入ってくる。

「センセー、これわかんねー」

「なに、こんな問題もわかんねぇの?」

「俺はセンセーと違って馬鹿なんでねー」

そう言いながら専門科目の問題を見せると司書の先生はホワイトボードを出してきた。

「……なんでホワイトボードなんてあんのさ」

思わずそう思い聞いてしまった。

「授業で使うからだと」

そう言いながら先生は詳しい解き方をホワイトボードに書きながら説明をしてくれた。





「わかったか?」

「まぁ、一応?」

俺が首を傾げながら答えると先生が微妙そうにならよしと答え別の生徒の所に向かった。



カリカリ……ペラ……カリカリ……





「そう言えば優月、お前アニメとか好きだよな」

10分ぐらい勉強をした所で先生がいきなり話しかけてきた。

「まぁ、一応、なんで?」

「いや、この子もアニメ好きらしいから話してみれば?」

視線を移すと眼鏡を掛けた大人しそうな女の子がいた。

「んー」

俺はそう言いながらその子の近くの席に座った。

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