高校3年生 プロローグ

成績のピンチ

「優月、お前成績大学進学出来るか微妙だからやらねぇとヤバいぞ」

高校3年生、春、俺はいろんな意味で危機を迎えていた。

自業自得とは言え成績なんて5段階評価中2、テストの順位も下から数えた方が圧倒的に早い。過去の自分を殴りたいレベルだ。

「次のテストで20位以上にならなかったらちょっと進学は進めれんぞ。」

「……マジっすか」

「当たり前だろ、とりあえず結果出しみな」

先生が俺にそう言って教卓の上の教科書などを纏める。

「うぃっす……」

俺はそう言って自分の席に戻ると前の席のやつが話しかけてきた。

「なんか問題起こした?」

そいつは俺に笑いながらそう言ってきた。

名前なんかは覚えていない。どうせ他人なんだから覚えていても仕方ないが。

「なわけあるか。あー……でも問題っちゃ問題だな」

「なんだよそれ」

俺が苦笑いしながら言うとそいつが笑いながらそう言った。

「いやー、俺って馬鹿じゃん、だからまぁ、成績が……ね?」

「察した、んで、どうしろってー」

「成績あげろー、結果出せーみたいな感じ」

「だろうなー」

「という訳で図書館で勉強かねぇ……」

俺が机に突っ伏すると教室がうるさくなった。

(多分誰かがなんかやらかしたんだろうなー……寝よ……)

俺は心地よい暖かさの中そのまま眠り始めた。

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